Everybody's Gone to the Rapture のレビュー
細部まで作り込まれた美しいオープンワールドと心に響くサウンドトラックを特徴とする『Everybody's Gone to the Rapture』は、最高のノンリニア・ストーリーテリングだ。
アプリID | 417880 |
アプリの種類 | GAME |
開発者 | The Chinese Room |
出版社 | PlayStation PC LLC |
カテゴリー | シングルプレイヤー, Steamの実績, スチームクラウド, フルコントローラーサポート, テレビでリモートプレイ, 字幕があります |
ジャンル | カジュアル, インディー, アドベンチャー |
発売日 | 14 4月, 2016 |
プラットフォーム | Windows |
対応言語 | English, Korean, Japanese, Finnish, French, Italian, German, Spanish - Spain, Polish, Portuguese - Brazil, Russian, Danish, Dutch, Norwegian, Portuguese - Portugal, Swedish |

14 総評
8 ポジティブなレビュー
6 否定的レビュー
賛否両論 スコア
Everybody's Gone to the Rapture は合計 14 件のレビューを獲得しており、そのうち 8 件が好評、6 件が不評です。総合スコアは「賛否両論」です。
レビューのグラフ
上記のグラフは、Everybody's Gone to the Rapture のフィードバックの傾向を示しており、新しいアップデートや機能が導入された際のプレイヤーの意見の変化を視覚的に表しています。このデータを通じて、ゲームの評価の推移を理解できます。
最新の Steam レビュー
このセクションでは、{name} の最新 10 件の Steam レビューを表示し、さまざまなプレイヤーの体験や感想を紹介します。各レビューの概要には、総プレイ時間、肯定的・否定的な反応の数が含まれており、コミュニティのフィードバックを明確に示しています。
プレイ時間:
278 分
評価できるのはグラフィックと音楽くらいです。ストーリーは宗教や終末論に興味がないのでよくわかりませんでした。そんなことよりも…足が遅い!遅すぎる!まさか1980年代のイギリスの田舎町で、牛歩戦術をする日本の政治家の気持ちを味わうとは夢にも思いませんでした。
探索ゲーや雰囲気ゲーは好きですが、ずっとノロノロとその場に留まっていたいわけではないので、「あ…あの辺探索してないな…でも戻ったらまた時間かかるな…まぁいいや先に進んじゃえ!(泣)」ずっとこんな感じでズルズルと探索したい気持ちを抑えながら、トボトボとゆっくーり歩きながらゴールイン(エンディング)という感じでした。
開発者は綺麗で広大なマップをじっくり散策させたくて、足を遅くするという安直な方法を取ってしまったのでしょうか。一生懸命細かく作ったマップをゆっくり見てほしいのはわかりますが、ここまで足を遅くしてしまうのは作者のエゴです。それとも単にプレイ時間を延ばしたくてこんなことをしたのでしょうか…。百歩譲ってそれが演出だったとしても、足が遅くないと成り立たないような場面はないように思います。いずれにしても、私のような探索が好きな人は速く動けたって時間かけてじっくり隅々まで見ますから、それを仕様として強制させちゃあいかんですよ。
もう二度とこんな足の遅いゲームはやりたくないと思ったので、ゆっくーりノロノロと牛歩戦術で「おすすめしない」に一票を投じます。
👍 : 5 |
😃 : 1
否定的
プレイ時間:
248 分
ストーリーについてですが、村に起きた出来事の顛末ではなく、それにまつわる人間同士の関係性は面白かったです。本筋には明確な答えのようなものは用意されていないと思われますが、そこに考察して楽しめるような深さは感じられませんでした。あともう少しボリュームがあればもっと感情移入できたかもしれません。
ゲームプレイは、とにかく移動が遅くストレスが溜まります。所謂雰囲気ゲーとか言われるタイプのゲームだと思いますが、自由に自分のペースで雰囲気に浸りたいのにひたすら作業的に歩かされます。ゲームであることがいちいち思い出されてゲームにそこまで入り込めませんでした。
音楽とグラフィックは完成度が高く、面白い部分も確かにあるので、なんだかもったいないゲームだと思いました。
👍 : 6 |
😃 : 1
否定的
プレイ時間:
224 分
追記
最近結構な頻度でセールをしているようでなによりです!!
ぜひ、このゲームでしか味わえないポカンとしてしまう読後感を経験してみてください!!
↓以下、久しぶりすぎるセールが来た時に感動して書いたやつ
PS4版をトロコンしてからだいぶ経った後、PC版が存在することに気が付き、セールになるのをずっと待っていました。
しかし、夏のセールが来ても、冬のセールが来ても、全く安くならない・・・・まるでパブリッシャーがこのゲームの存在を忘れてしまったかの如く全く安くなりません・・・
そして2022年6月!!! ついに!ついに!待望のセールがやってきました!!!!
なんと前回のセールは2017年の11月!! 実に4年半ぶりのセールです!!!
セールを見つけた時、うおおおおお、と咆哮しました!!!
steamくんが値付けミスをしなくなってから、すっかりセールの興奮が無くなってしまいましたが、久々にセールで大興奮しました!!!
最安ではありませんが、これを逃したら次は何年後になるかわからない・・・と、涙を流しながら購入し、ぬるぬる動くPC版の挙動に感動しました!! ただぬるぬるってだけで感動です・・・
はっきり言ってこのゲーム、まったく面白くありません。
意味不明なストーリーを豪勢な音楽でゴリ押してるだけのパワー系のゲームです。
じゃあ、何が良いかというと、この手のゲームにしては珍しくフルローカライズってことです。
どこに勝算があると踏んだのかわかりませんが、しっかり吹き替え付きです。金、かかってます!!
やはり吹き替えがあると話の没入感が違います。話の内容は意味不明ですが、なんとなく雰囲気で伝わるんです。ナラティヴです。
もしあなたがこのストアページを見ている時セールだったらのなら、若干迷ってから買いましょう!
なにせ一度セール逃せば次にやるのいつになるかわからないのですから。
👍 : 5 |
😃 : 4
肯定的
プレイ時間:
287 分
なんだろう・・・景色が綺麗で人が居ない火の玉みたいなのが飛び回る村?を歩き回る。。。
ただそれだけって印象です
ゲーム内容を期待して購入すると失敗した感が強いんじゃないかと思います
あくまでウォーキングシミュレ―ターです
とりあえず、困ってるのが個人的な事ですがPCのスペックの問題なのか?体質の問題なのか?とにかく3D酔いみたいに気分が悪くなってます
どこに移動しても女性の声で英語の数字が念仏みたいに聞こえてくるのと、やたら眩しい火の玉みたいな物が、ずっと付きまとってきてウザい
それもプラスされて気分が悪くなるいっぽうで30分おきに長時間中断しながら歩き回ってる始末
オートセーブのタイミングがよくわからず、30分まるまる戻った事も・・・
任意のタイミングでセーブさせてくれたら個人的に良かったかな(6/23のパッチで任意のセーブが可能になったかも?もうやらないから確認しないけども。。。)
グラはとっても綺麗。低設定でも許せる綺麗さ
最高設定にしたら、ずっしり重くなったので、それなりに自信があるPCでないと本気で景色を楽しむのは辛そうですけど・・・
時折かかる音楽は素敵な雰囲気で良かったですが、これだけしかお勧めできる要素がなくて、おすすめ評価は『おすすめしません』にさせてもらいました
セールで半額以下になってから購入するのがいいと思います
👍 : 22 |
😃 : 1
否定的
プレイ時間:
389 分
多分このゲームは、セーブしないでなるべく一気にプレイしたほうがいい。
そうじてこのゲームは映画一本を見るように、間隔をあけずに見届けるようにできていると思う。
変な書き方だがさきに、
悪い点、遊びづらい点。
・セーブが自動で、間隔が広い。大きなイベントを見たタイミングなどで勝手にセーブなので、
ここで終わりたいというところでは終われない
・話は難解。しかし理解できないことはない。ただし時間が経つとちんぷんかんぷんになる
・マップが見づらい。結果迷子になる。
例えば湖が目の前⁽北⁾にあったとして、その前に立て看板的に地図があるのに湖の表記は南に書いてあったりする
・入った家、見たイベントのチェックなどはない。時々火の玉が次の行くべきところを教えてくれる
多分休日にぽちぽち、とか間一週間あいて、とかだと自分ならどこにいけばいいのかわからなくなっている。
良い点というか、それでもプレイしてほしい点。
・ミステリーを自分で紐解いていく感覚
・息遣い、生活を感じる無人の村
・立ち止まるレベルの音楽
・とにかく美しく物悲しい世界を歩き回る探索感
これは見届ける物語であり、自分でページを見つけてつなぎ合わせる小説と呼んでいいと思う。
物語は断片をひろっていくだけでも主要なポイントは理解していくことができる。
ある日突然誰もいなくなったかのような村、あちこちでタバコはまだ煙が経っているしこぼれたワインも乾いていない。鳥の死骸もそのまま。突然時が止まって放り出されたかのような美しい村の中を歩き回ってここで何があったのかを見つけていく。
放り出される感じは不親切なようで、途中火の玉がマップを周回しているのについていけばなんとなくどこに行けばいいかはわかる設計にはなっている。
ただこの日のためもちょっとふらふらしていて突然ぶわっと光ったりするがなんでもなかったりするのはご愛嬌だと思う。
このゲームはあくまで自分で紐解いていく。火の玉は手伝いどまりだ。
生きているようで死んだ村をさまよって、真相にたどり着く感覚はこの手のウォーキング系が好きな身として、
大好物だったと言わざるを得ない。
ただ登場人物は主要な奴らが不倫してたり自分勝手だったりなんかアレ⁽テーマ的におそらくわざと⁾。
👍 : 3 |
😃 : 0
肯定的
プレイ時間:
973 分
美しい風景と音楽、それにその場所で起きた人間ドラマを味わうことのできる良質なお散歩ゲームです。
全体的に、物悲しさと美しさがあります。ストーリーは、キリスト教の終末思想等がベースになっていますが、知識がなくても楽しめると思います。
また「どの順番で・どう巡って・何を見るか」の制約がほぼ無いため、プレイヤーごとに「自分だけのゲーム体験」ができることも魅力です。
・「移動速度が遅い」ことについて
移動速度はゲームとしては確かに遅いですが、普通に現実で人が歩くくらいの速度です。お散歩ゲームとしてちょうどよく、リアリティがあります。(そもそもこの内容で高速移動ができたら一瞬で終わってしまいます笑)
・「閲覧したオブジェクトの数のチェックができない」ことについて
実績には関係ありますが、ゲームクリアには関係ありません。どうしてもチェックしたいのでしたら、ゲームをしながら手元で紙とペンで書けばOKです。シンプルで最低限のUIであるがゆえの、不便さをリアリティとして楽しめる方におすすめです。
というわけで、以下のような方には非常におすすめです。
・作中ではっきり描かれないことについて余白を想像するのが好き
・制限のある操作・画面のUIは最低限の不自由FPSが好き
・SFが好き(このゲームプレイ後、もっと世界観を理解したいと思い小説『ヴァリス』を読みました)
・キリスト教の終末思想・神に対する考え方を知っている
👍 : 8 |
😃 : 1
肯定的
プレイ時間:
765 分
[h1] 雰囲気とBGMは最高なウォーキングシミュレーターのようなアドベンチャー [/h1]
個人的にはいい意味か悪い意味どちらかわからないほどに思った以上にストーリーゲーム
[h1] ゲーム内容 [/h1]
すぐ今まで人がいた形跡があるのに誰もいない、世界で断片的な他者の記憶を集め、なぜ人が消えたのかを追うアドベンチャー、BGMや雰囲気などは文句なしに素晴らしいが、移動速度が遅い、ヒントが少ないなどがあるために記憶の断片などを見つけるため意外に大きいマップをあちこち探し回るのはつらいものがある、雰囲気ウォーキングゲームだとしても何回も同じ場所を探し回るとなるときついものがある。
[h1] 個人的に思った事や感想など [/h1]
海外ドラマのような登場人物そして海外ドラマのような人間関係やシナリオだが、それでも切なくとても悲しいストーリーはある意味ただのウォーキングシミュレーターとして買った自分には良かったのか悪かったのかわからなかったが、十分楽しめた。
👍 : 18 |
😃 : 1
肯定的
プレイ時間:
1054 分
クリア時のVer.は1.0.1。初回プレイ時は極力色んな物を見つけようと回り道を行った結果、7時間を要しました。その後、全実績解除に17時間所要。起稿時点で5周しています。
[h1]Pros:[/h1][list]
[*]感情を揺さぶられるサウンドトラック
[*]人物像が脳裏に浮かぶ迫真のボイスアクト
[*]緻密な心理描写
[*]写実的で美しい風景[/list]
[h1]Cons:[/h1][list]
[*]致命的な移動速度の遅さ
[*]不安定なフレームレート
[*]任意のセーブ箇所がなくオートセーブ区間が長い
[*]現在位置を把握しづらく道に迷いやすい[/list]
[h1]移動速度に目を瞑ることができれば抒情的な美しさが待つ[/h1]
本作をカテゴリに当てはめるなら、カテゴライズの是非は置いておいて、一人称視点の3Dアドベンチャーゲームに当たります。ベースストーリーはストアページの「このゲームについて」で実にうまくまとめられていますので、そちらを参照して頂ければと思います。補足するなら、村から人が消えた現象の謎を解き明かすというよりは、過去に起きた出来事をバラバラな時系列で断片的にプレイヤーが知り得ていくというスタイルです。一本道ながらもクリア時にプレイヤーが持つ情報の順序と情報量が異なる点においてはHer Storyにも近いものがあります。仮に実写で同じ物語を描こうとするなら断片的な情報入手は必ず同じ順序で描くことになるため、非線形のストーリーテリングという表現は言い得て妙だなと思いました。
イギリスに舞台となるヨートンなる村は実在しておらず、架空の村ではあるものの、農業と牧畜が産業として根付く田園風景と郊外のキャンプ場が共存する田舎として存在感をもって描かれています。そこに住んでいる人々は誰しもが知り合いで、お互いの過去や人間関係など悲喜交々が筒抜けとなった閉鎖的なコミュニティの上に成り立っています。互いが自身のプライバシーをほじくり返されることを嫌って頑固であったり、何かの後悔に苛まれていたり、誤解や贖罪の意識を持ち合わせた等身大の人物像として描かれています。私が本作の物語にいたく共感できたのは、この欠陥を併せ持つ普通の人物が"消えゆく"今わの際に見せる心情の変化とその見せ方にありました。
人物像の描写に加え、没入感を高めている要素は視覚と聴覚の双方に対する働きかけにあります。ヨートンは実に美しく、パッと見では何事もなく平穏無事な生活感を感じさせる雰囲気を携えているのですが、村の中は夥しい数の鳥の死骸や血痕で溢れかえっています。只事ではない出来事が起こったという事が視覚的にも伝わってきます。無人の村内で描かれる登場人物は過去の出来事としてしか触れることができず、いずれも光の粒子として輪郭を象るのみです。人物がそこに存在するかのように感じられるのは疑いようなく声優の演技によるもので、人物像の喜怒哀楽や心情の機微が手に取るように分かり情景が頭に浮かびました。そして、没入感をもたらす最大の要因としてサウンドトラックの美しさがあると思います。特定のシーケンス後に抒情的なBGMがシームレスに流れてくるのですが、あまりの美しさに目から勝手に水が出ることもありました。どれかが突出して美しいというより、ほぼ全てのトラックが完成された美しさを持っています。
私の使用しているPCはだいぶん古くなっていることもあり、動作状況の確認を兼ねてSteamの設定よりオーバーレイにフレームレート表示をONにしてfpsを計測しつつプレイしています。通常処理落ちはフレームレートに直結しているため、本作の移動速度もフレームレートに起因していると思っていたのですがそうではありませんでした。通常38fps程度で、74fps近くまで上昇しても移動速度が全く上がらず却って遅くなる場面もありましたし、逆に28fps程度でも普段の3倍近く素早く移動できる場面もありました。フレームレートと移動速度が比例/反比例する訳でもないので、足の遅さは単に不具合なのではないかと思われる節があります。フレームレートも終始不安定で最適化不足のきらいも。単にスペック不足なだけかもしれませんが。
そして足の遅さと併せて陥りやすい罠がオートセーブのタイミングです。メインのストーリーを進めるには村内にある光の球体に触れる必要があり、そこで映し出される情景の数秒後ぐらいにオートセーブが走る仕様となっています。エリアによっては環状に舗装されている箇所もあり、地図も場所によっては上下逆に見ないと分からないところもあって迷いやすく、なかなか目的の球体を見つけられません。更に実績の一つにRadio Enthusiast(ラジオ好き)というものがあり、これはメインのストーリーに一切触れずにオレンジ色のラジオのみを聞いていくというものになります。勘のいい人ならお気付きかと思いますが、これを遂行するには一切セーブが走らないことが条件になります。そして、私は不運にも計25個あるラジオのうち、24個目でオーバーレイを表示した際にクラッシュしました。再開すると一から。5周したうちの1周はこの不運な事故によるものです。実績大好きな人は注意してください。
作中ではfather(神父)が登場します。イギリス国教会に属する聖職者は牧師であり、Raptureはプロテスタントの、それも宗教的もしくは政治的なプロパガンダより派生した(と考えられている=元来聖書にはない)ものをイギリスの開発会社が描き、かつ作中のスティーブンの妻ケイトはアメリカ人女性である、そして一周後にゲームの開始地点を見ると…何かと作意的なものを感じます。
もし、あなたが死を直前に控えていたら、今わの際をどう過ごすか。私が20代で本作をプレイしても、ここまで胸に刺さるものはなかったんじゃないかなと思います。推奨プレイ年齢層は人生を折り返した世代くらいがいいかもしれません。外界から途絶され、どんどん村人が消えてゆく。明らかに異様さが漂い始めたときに、いよいよ自らの"消失"を予感する。そのとき、これまでの人生を振り返って自らの愚かさや過ちに気付く。そうなる前に身の振り方を直せればいいんだけど、なかなかそうできないのが人間であって、本当に大事なことに気付いたからこその"幸福な消失"であるように思う。イライラしがちな人には薦められない。物語が好きでゆっくり吟味するのが好きな人に少しでも興味を持って頂けたなら幸い。事の顛末は自身の目で確かめて頂ければと思います。
👍 : 27 |
😃 : 6
肯定的
プレイ時間:
246 分
とにかく歩くのが遅いゲームで、それが他の良かった部分を相殺してしまっていました。
本作で出来ることは、歩くこと、扉を開けること、ラジオや電話、謎の光球から音声や映像ログを見聞きすることだけで、ゲーム性のようなものは皆無ですが、映像や音は非常に優れていて没入感の高い芸術作品のようなゲームでした。
音声、テキスト共に日本語化されている作品で、自分は英語音声に日本語字幕でプレイしたのですが、少なくとも字幕は完璧で、不自然な点は全くありませんでした。
舞台となる1980年台のイギリスの田舎町は、ついさっきまで人が住んでいた痕跡があるのに誰もおらず、それなのに電話が鳴ったり、ラジオから雑音が流れていたりと、文章だけを読むとホラーゲームにも感じてしまいそうですが、実際にはそんな雰囲気は皆無で、自然豊かで牧歌的な田舎町を歩いていると、生まれてもいない時代なのにノスタルジーを感じる魅力的な町でした。
そんな誰もいない町で、ラジオや電話、あるいは謎の光球から消失した人々のやり取りを見聞きして、何故人々が消失したのかを調査するのが目的(多分)のゲームです。
見聞きできるログは時系列もバラバラで、光球から見ることが出来るシーンも人々は朧気な光の輪郭としてでしか登場しない上に、かなりの人数が登場するので、人物を覚えるのは大変で、しっかりと把握するには相関図を自分で作成する必要があると思いました。
しかし、本筋に関わる人は5~6人くらいで、残りは町の普段の人間関係や、終末に際した人間の言動が主なので、謎を追うだけならそこまでする必要はありませんでした。
HPや所持品を表示する必要の無いシンプルなゲームなので、プレイ中にはメタ情報は一切表示されません。
それも作品の没入感を増す一つの要素で素晴らしかったのですが、町の各所には現在地表示つきの、観光地でよく見るような地図はあるのですが、プレイヤー自身は地図も磁石も持っていないので、道に迷うと大変でした。
その代わり、謎の光球が次の重要なログのある場所に誘導してくれたり、ラジオや電話の音も重要なナビゲーションシステムとして働くので、ゲーム用に都合よく縮小されていないように感じられるくらい広い町を歩きまわる割には、迷うことは少なかったです。
ストーリーが全てのゲームなので、ストーリーに関してはネタバレ無しには書けることが少ないのですが、終末の謎を解き明かしましょうとかゲーム説明には書かれている割には、しっかりとした答えがあるわけではなく、各プレイヤーの解釈による部分の多いストーリーでした。
また、キリスト教的な寓意(?)も非常に多く、そもそもタイトルの「the Rapture」も終末論の一つみたいで、そういった宗教的な知識を持った状態でプレイすると、謎や本筋以外の人間ドラマについてより楽しめたのかもしれませんが、そういった知識が無い自分には腑に落ちない部分も多かったです。
キリスト教の知識が問われるとはいえ、雰囲気ゲーとしては至高の出来と言っても過言ではない本作をおすすめしないにした理由ですが、最初にも書いた通り、尋常ではない歩行速度の遅さがそれらの要素をぶち壊してしまっているからです。
一人称視点のゲームなのですが、一般的なFPSと比べると遅く感じるとかいうレベルではなく、まるで操作キャラクターは杖をついたお年寄りレベルの移動速度でした。
shiftキーを押すと「走る」と書いてあるのですが、ウィキペディアによると走るというのは「両足が同時に地面から離れる瞬間がある移動方法を走る、常にどちらかの足が地面についている移動方法を歩くという」ということらしいですが、本作のは到底走るとは言えない速度で、膝に矢を受けた衛兵の歩行速度レベルでした。
プレイ時間は4~5時間ほどでしたが、仮にもっと速ければ二時間くらいで終わったと思います。
上述の光球や音によって導かれる、クリアする上で必須のイベント以外にも、いくつものログが散りばめられているのですが、移動が遅い本作では横道にそれて色々調べるのが非常に億劫で、何となく「あっちに行けば何かありそうだな」と感じても、もし行き止まりだったら面倒だし、重要なログは誘導してくれるから無視しようという、お年寄りが出不精になる精神状態を擬似的に体験出来ました。
また、誘導してくれる光球を横道にそれている間に見失うことも多く、そうなってしまうと悲惨の一言で、ちゃんとした地図も無い状態で土地勘のない広大な町をさまよい歩いていると、プレイするのを投げたくなりました。
そのため、道に迷う恐怖や遅さのために丁寧に作られた広大な町を隅々まで堪能することが出来ないのは非常に勿体無いと感じました。
実は本作のプレイヤーキャラクターも謎に満ちており、何故町にいるのかも不明だし、手や足などの体の末端すら映らない上に、影もなく一言も発さないという正体不明っぷりだったので、実はプレイヤーキャラクターも消失しかけているとか、人間じゃないとか、足が遅い理由を色々想像していたのですが、少なくとも足の遅さは何らかの伏線ではなく、純粋に足が遅いだけでした。
作りこまれたフィールドや不思議なストーリーと雰囲気ゲーとしては素晴らしいかったのですが、異常なまでの足の遅さが全てにおいて足を引っ張っていて、あちこちを探索するのも億劫だったし、そのため未発見のログも多くてストーリーも全てを堪能出来ませんでした。
PS4版の時点でのユーザーフィードバックから、足の遅さはメーカー側も認識していて速度アップのパッチを作るかもと言っていたようなのですが、PC版の発売された現在でもそういったパッチは出ていないようなので、今後も望み薄だとは思いますが、PC版はユーザーがデータを変更するのが容易なので、今後有志によるパッチや速度アップの方法が発見されるかもしれないので、興味あるけど足が遅いのはちょっと・・・という人はもう少し待ってみるといいかもしれません。
足の遅さを除けば芸術的な素晴らしいゲームで、おすすめ出来る作品だったので、普段からお年寄りのお世話をしてるから足の遅さなんて気にならないぜ!というような聖人君子な人にはおすすめ出来る作品でした。
👍 : 145 |
😃 : 47
否定的
プレイ時間:
256 分
ゲーム紹介文から誤解する人が多そうですが、
これは箱庭内を探索して、人々が村から消失した謎を解くというような、
エンタテインメント性のあるアドベンチャーゲームではありません。
もちろん、この謎というのもゲームの魅力を構成するひとつの要素ではありますが、
作品の楽しみ方としては、村に残された様々な残滓から人々の関係性や
終末の雰囲気を読み取り、美麗な映像や荘厳な音楽に包まれながら
世界に浸るといったところにあります。
もしひとたび「世界」に没頭することができたのなら
一度に最後まで進めてしまうことをお勧めします。
通しでプレイすれば4,5時間程かかりますが、
中断して余韻を失ってしまうのは勿体無いですので。
👍 : 75 |
😃 : 4
肯定的