Shadow Empire のレビュー

マニュアルのページ数 HoI3、87ページ(HoI4はマニュアルがWikiに統合された)。 Civ6、190ページ。 Shadow Empire、369ページ。 もうこれで説明が終わってる気もするんですが、 要はちょっと普通じゃないくらい色々ぶち込んで 無理やりバランスとらせりゃ神SLGゲーの出来上がりでしょ？ みたいなイージー極まる考えが根底にあるゲームなんですが、 それで実際神ゲーの片鱗らしい所が見えるから ゲーム漁りはやめられませんね。 このまま順当にVerが進めばDistant Worlds:Universeや Dominions 5(どちらも海外では非常に評価の高いSLG) 並になれるんじゃないかなと思わなくもないんですが、 ゲームの中盤以降、一番盛り上がってくる時期に 顕著にAIの待ち時間が長くなってプレイがしんどくなる事と それぞれの国が順番に行動していくルール上マルチプレイはPBEM以外絶望的。 という中々難しい問題を抱えており、 ここを何とか出来るかどうかでこのゲームの将来も決まるでしょう。 総評：現状では佳作。様子を見るか、セールで安い内に買って寝かせとくか……

簡潔に言うと人類が宇宙の星々へ生活圏を伸ばし、銀河共和国(Galactic Republic)が建設されるに至った後なんやかんやあって終末戦争で惑星間の連絡システムが途絶え人類の文明レベルが衰退しきった後の何処かの惑星で小さな都市国家の指導者となったプレイヤーが文明を再発展させながら惑星の覇者の座を賭けて愉快な隣人たちと鎬を削る硬派なポストアポカリプス4xストラテジーです。 ローカライズはされていないので英語を理解できる必要がありますが、その分に見合うプレイ体験を与えてくれるでしょう。 ここで長いレビューを読むよりもYoutube等でプレイ動画が沢山上がっているので、それを参考にして購入を検討されては如何でしょうか。 特徴をかいつまんで挙げると、ゲーム戦略に大きく影響する開始オプションとランダム生成され大きく姿を変えるマップ(惑星そのもの)、プレイヤーと個別に関係を持つ成長と加齢を続ける人材システム、諸兵科連合システムを基本とした硬派な戦闘システムとロジスティクスの概念(難易度を調整可能)等です。 数年間オープンベータとして公開されて来ましたが、堅実に改善とゲーム機能の拡張が重ねられており正式リリースは近いとの事です。 ○いいところ ・上記のランダム生成要素。惑星の大気組成や重力、重元素含有率や水の塩分濃度、ph値まで変わる(これは資源の入手難易度にも影響する。顕著なのが水の入手性や地下資源の入手難易度、建設する農場アセットの生産性など)。もう一度人類にチャンスをくれる緑の世界(茶色になるかも)や水が燃料より高価な砂漠惑星、アチアチの火山星やヒエッヒエの氷の星まで思うがまま。条件によってはプレイヤーの脅威にもなり得る蛮族ユニット的な野生動物も現れる。開始オプションで調整できる終末までの歴史によってレイダーや暴走AIに奴隷商人、狂信者や軍国主義者溢れるバイオレンス惑星や農業コミュニティばかりの割と平和な惑星まで色々選べます。肝心なのはどっかのゲームみたいに開幕理想の生成状態じゃなきゃメニューに戻るという必要が無くて気に入る結果までリロール出来る事。 ・上記に関連して有り余るほどのテキストデータ量。ゲーム内容に実際に影響するからこまめに確かめよう。 ・人材システム。人材は各政府部門を担当するがスキルによって向き不向きがあるし政策やイデオロギーでプレイヤーと意見が合わない場合もあり、イベント等を通じ関係度が下がると下野したり反乱を起こしたりする。また、寿命がある。長い間ポストに置いとくと汚職をやったり逆に考え方が変わって関係が改善したりする ・区画システム。プレイヤーが資源なり研究ポイントなりを得る為の区画は民間区画と分けられ、公的アセットに勤務する労働者や兵士には給料を払う必要があり、給与額と幸福度、あとお財布の中身との兼ね合いや官・民のバランス要素が戦略にも影響する ・デザインシステム。兵器の兵装や航続距離までプレイヤーのデザインで変わる。兵器モデルや都市・国家にはプレイヤーが自由に名前を付けられる。国旗のカスタムも可能。2Dグラフィックでしかできない事ってあるよな!!　あと師団や旅団、大体の編成もカスタムできます。 ・好き勝手に税金を上げたり下げたりできる。 ○わるいところ ・ちょくちょく産廃みたいなユニットがある。一概にどれとは言い難くゲーム毎の環境や状況でよく変わるので(大気密度の問題で普通の飛行機が全く飛ばない、重力が高すぎて戦闘車輌の重量増加に序盤のエンジンの出力が追い付かない等)どれがそうかはキミの眼で確かめよう！ ・序盤に立て続けにマイナス効果のイベントが起こって即積む事がたま～にある ・割とチュートリアルが不親切。見栄を張らずに低難易度で慣らそう。分からない事は自分よりうまい人のプレイを見たりガイドやマニュアルでしっかりチェックした方が良いかも ・大多数のプレイヤーは問題にも思っていないだろうが勝利条件は惑星の大半をプレイヤーが支配してビクトリーポイントを基準値まで稼ぐ事。幾らか別の条件が欲しくもあるが、仲のいいAIと同盟を組んでポイントを共有出来たりする事もあるのでそこまで心配は要らない。そして負けるのも楽しい！

前もって触れますが、小職は英語が一切読めませんのでフィーリングと友人のプレイ指南に得て、どうにかクリアーした時点でのレビューでございます。 その昔、パソコンゲーム黎明期に存在した古き良き名作たちを彷彿させられるさせるような、申し訳ばかりのグラフィックと大量のテキスト・数値を愛でるゲームであります。 加齢臭が漂うインターネッツを生き抜く老紳士方、出番です。 全体を通した作りが「古臭い」等といったレッテルを貼られ勝ちですが、「Star Wars: Rebellion」のような刻一刻と自身を取り巻く情勢が変化するスピード感ある基本設計と「Steel Panthers」であったような無慈悲なほど徹底的に作り込まれた戦闘システムが上手く融合したような洗練されたゲームデザインです。 本作は、「全銀河を股にかけて繁栄した巨大組織が破滅的な戦いによって文明崩壊した世界」、所謂ポストアポカリプスでコミュニティを率い、愛と暴力とSE...によって当該惑星制覇を目指します。 （ゲーム冒頭で、宇宙艦隊が激戦を繰り広げているお茶の間映像が流れているのは、そうした背景からです。） 惑星はランダムジェネレートが搭載されており、有酸素・無酸素等の条件から、果ては有機生命体が自活可能なバクテリアが存在しない地表すらも生成可能です。 開始時点では少ない資源と現代兵器で見られるような小火器のみを持たされた状態で荒野に放り出され、嘗ての栄華を取り戻すべくテクノロジーを研究して行きます。 研究し終えた施設・兵器を活用するには各種資源（人的を含む）が求められ、それらを確保すべく領土拡張を目指します。 この荒れ果てた世界ではそれらすべてがほぼ有限であり、文明を捨てた同族達や原生生物たるエイリアンが徘徊する世界で飽くなき闘争に身を投じていくこととなります。 本作で特筆すべき点はなんといっても、戦闘とそれを支えるサプライチェーンに纏わる部分かと思われます。 詰将棋のように平押ししていくのでは、いくら正面火力で勝っていたとしては敵を殲滅する事はできず、ジリジリと敵前線を押し込んでいくに留まります。 こうした戦局を打破すべく、足の早い機甲戦力で側背に回り込んで包囲殲滅（複数方向から攻撃を仕掛けるとボーナスが入り、ZOCで囲えば敵を降伏にまで追いやる事も可）を仕掛ける必要があります。 強力な火力を有する重兵器・航空兵力は膨大な物資を要求し、戦線を支える歩兵もまた日々の戦いで補充が求められます。 それらを下支えする武器弾薬、石油、補充兵を前線に運び入れる為には補給トラックが走る道や輸送列車が走るレールを敷いて供給拠点と補給拠点を繋げてあげなければなりません。 また、兵科・武装は火砲や装甲単位で切り替えが可能で、ビークル類は推進機関と燃料タンクを設定できます。 設定値はいずれも画面上で確認できるので、凝り性な方などは数値を眺めているだけで楽しめること請け合いです。 決して万人受けせずお値段も安くはありませんが、購入きっかけの一助となれれば幸いです。