Stranded のレビュー

まず最初に言っておくべき事はこれは所謂ゲームではないという事。 文字情報も無く、操作もクリックのみでパズル要素なども無い。 ではこれは何なのかと言うと、2Dベースのインタラクティブアートと言ったところだろうか。 アートワーク、音楽、環境音、などは非常にクオリティが高く、 座礁した宇宙船から外に出た時、地面の感触を感じる足音、音楽と感応するかのような光、そういった事のどれもが素晴らしく、 リアリティとはまた違った心地良さを感じ、異質でどこかレトロな異世界をどこまでも歩いて行きたくなるような感覚をおぼえる。 ただしパーツで切り出せば非常に優れたこの作品だが 全体のボリュームは余りに少なく、動ける範囲、自由度などもかなり物足りない。 主人公の歩く動作も遅く、歩くことしか出来ない事も手伝って移動が面倒に感じ始める。 そうなってしまうと作品世界を楽しむ余裕もなくなってしまう、本末転倒である。 個人的には面白い部分もあったと言えるのですが、一般的に言ってこの内容にしては価格が高いと感じるし、ほとんどの人は不満のほうが上回ると思える。 ドット絵のアートワークや音楽、実験的なインディ作品に興味または理解のある人以外は手を出さないほうが良いと言える。

久しく出会わなかった買って非常に後悔したゲーム。 アートワークは非常に良いのですが、それだけ。センスのいいグラフィックは意味不明なゲーム世界に組み込まれ無意味な色の集合に早変わり。色々思わせぶりにしようと置かれた何かは結局思わせることすら出来ずにただそこに並べられただけ。一貫性も関連性も見られない物を置いて一体何を表現したかったのか。 ゲームシステムも「クラシックなポイント・アンド・クリックアドベンチャーへのラブレター」であると言いながら、その実態はただプレイヤーに不便を押し付けるだけ。非常に遅い移動速度、クリックした場所ではなく予め設定された場所にしか進めないイライラする移動、毎回別のマップに切り替わる直前で必ず停止する主人公。 パズルにも不満が。何かを考えるという行為はほとんど不要でただ進めるだけ。しかもだいたい全てのマップを回らせられます。だるい移動と相まって抜群にプレイヤーのやる気を削ぎます。 ミニマリストアドベンチャーと名乗っていいのは必要最小限で最大規模にプレイヤーに語りかけられるゲームであって、ただ単に短いことに対する言い訳ではありません。 確かにストアページの説明にあるように実験的ではあります。しかしこんな実験であるならもっと別の形で行って欲しかった。例えばどこか人里離れた森の奥で一人でやるとか。なまじゲームと名乗ってしまった以上インタラクティブアートにもなれず、さりとてゲームとしては最低の部類に入るものとなり・・・。 このゲームは絶対に買ってはいけません。しかしそれでも尚評価を分かった上でプレイしてくれたなら、私のレビューを完全にもしくは一部でも否定するご意見を心待ちにしています。