Analogue: A Hate Story のレビュー
トランスヒューマニズム、伝統的な結婚、孤独、コスプレをテーマにしたダークなビジュアル・ミステリー小説。追求可能な2人のキャラクター。5つのエンディング。未来へようこそ。
アプリID | 209370 |
アプリの種類 | GAME |
開発者 | Love Conquers All Games |
出版社 | Love Conquers All Games |
カテゴリー | シングルプレイヤー, Steamの実績, スチームクラウド |
ジャンル | インディー |
発売日 | 27 4月, 2012 |
プラットフォーム | Windows, Mac, Linux |
対応言語 | English, Japanese, Korean |

2 280 総評
2 121 ポジティブなレビュー
159 否定的レビュー
非常に肯定的 スコア
Analogue: A Hate Story は合計 2 280 件のレビューを獲得しており、そのうち 2 121 件が好評、159 件が不評です。総合スコアは「非常に肯定的」です。
レビューのグラフ
上記のグラフは、Analogue: A Hate Story のフィードバックの傾向を示しており、新しいアップデートや機能が導入された際のプレイヤーの意見の変化を視覚的に表しています。このデータを通じて、ゲームの評価の推移を理解できます。
最新の Steam レビュー
このセクションでは、{name} の最新 10 件の Steam レビューを表示し、さまざまなプレイヤーの体験や感想を紹介します。各レビューの概要には、総プレイ時間、肯定的・否定的な反応の数が含まれており、コミュニティのフィードバックを明確に示しています。
プレイ時間:
367 分
英語UIで挑戦し、序盤で心くじけたゲームです。
知らないうちに日本語にも対応していたようなので、また遊んでみようと思っています。
このゲーム自体、あまり見ないタイプのゲームで好感を持っているので、以下で愚痴のようなことを書きつつも、「おすすめする」の評価にしています。
本ゲームの分類はビジュアルノベルです。
舞台となる宇宙船に向かった主人公が、宇宙船つき(?)AIの女の子に補足説明を受けながら過去の人物のログを読み進め、今は無人の幽霊船で何があったのかを読み解いていきます。
AIと言う話し相手がいるものの、生身の人間は主人公一人しかいません。
(タイトルのAnalogueも、本来は人間二人以上で行う会話(Dialogue)との対比でなのかも、と勘繰ったりしてます。)
プレイした範囲では、グラフィックも簡素で、AIの女の子以外は特に誰も登場せず、白塗りの背景で終始進行していました。
タイトルからうかがい知れるかもしれませんが、序盤のログをいくつか見た感じでは、なんというか暗いです。
男女格差著しい時代を舞台に、誰それが亡くなっただのあいつはロクデナシだ、だのという個人の日記のようなものでログは構成されています。
宇宙船、という響きとは一見そぐわない、それこそ中世のある地方で起きた話を読んでいるのかと錯覚しますが、コールドスリープがどうの、という話題が出てきて「あ、やっぱりここで起きた話なのね」と納得しました。
個人的につらかったのが、登場人物の名前と人物同士の相関をうまくつけるのに苦労した点です。
もとより人の名前を覚えるのが得意でないのですが、ストーリー進行上の必然なのか演出なのか、女性側の姓が省略されていたり、一部人物の名称を隠してあったりするため、余計苦労しました。
一族の系譜のようなものと常ににらめっこしながらログを読み進めたのですが、途中で心折れました。
これは、プレイ言語を英語にしていたのが大きいかと思いますが、人物名称が韓国名で、名前体系になじみが薄かったこともあるかと思います。
日本のゲームの登場人物が、海外移植の際に現地の人物名に変更されることがあるのを見て「そんなことしなくても」と昔思った記憶がありますが、覚えやすい名前というのは結構大事なことなのかもしれません。
序盤だけのプレイですが、ギャルゲー然とした見た目とはちょろっと違う、未来と過去と確執と愛憎が入り混じったタイトルのようです。
日本語化されていることを知ったので、折を見てプレイし直し、レビューを見直したいと思います。
👍 : 8 |
😃 : 0
肯定的
プレイ時間:
310 分
セクハラゲーですねこれは。まぁ、特にゲーム的な話だけを書きます。
この作品、普通におもしろいのですが、では、なぜここまでハマってプレイしてしまうのか。この問いに対しては、おそらくアンロック形式のシナリオであるとか、謎UIによるハッカーごっこが楽しいとか、色々と回答があるかと思いますが、このゲーム、何よりつかみが非常に上手いと思います。私見ですが、このゲームは、最初にプレイヤーをある犯罪行為にコミットさせてしまうことで、うまくその後の退出を禁じています。その犯罪行為とは、端的に言うと、セクハラ行為です。
まずセクハラについて。このゲームでプレイヤーがやらされるのは、具体的に言うと、他人の日記を手に取り、それを態々、日記を書いた本人のところに持っていき、「この記述はどういうことだ?」と問いかけることです。その日記の内容は性的でもありますから、つまるところ、明確なセクハラ行為です。これは案外心理的負荷がデカイ。それが気持ちいいかどうかは別問題として、このゲームにおいて、プレイヤーとヒロインとの間にあるインタラクティブ性に対して、ある種の緊張感というか、リアリティを与えている基盤は、明確に、セクハラ性だと思います。
では、セクハラ行為を行ってしまうと、なぜ退出しにくくなるのか。言い換えれば、セクハラ行為へのコミットが、ある種の没入感をもたらすのはなぜか。この問いに対する回答は、私見ですが、「ヒロインにセクハラしてしまうと、もうギャルゲーとしてプレイ出来なくなるから」だと思います。普通のギャルゲーは、ある種のセクハラと恋愛とが、ぶっちゃけて言えば親和的な関係として設定されているので、特に問題は起こりません。しかし、このゲームの場合、セクハラ行為は、この作品がおもいっきり批判している人々(保守的な家族主義者、というかエロオヤジ)の考え方と、同じ地平の上に置かれているのです。こんな批判的なギャルゲーがあっていいはずがありません。というわけで、ギャルゲメソッドとして、ヒロイン達に近づいていくことは、この時点で不可能になります。といって、自分に犯罪行為を行わせたこのゲームを、まさかやめるわけにもいきません。ここまで挑発的なことをされているのですからね。
では、どうするのか。ここで、ゲームをより中立的にプレイするという態度が出てきます。つまり、ギャルゲプレイヤーというよりもむしろ、研究者的な存在としてゲームをプレイし始めるのです。ちょうど、歴史的資料を丁寧に探索していくように、もしくは、論文を書くために必要文献をレビューするように、淡々と、一つ一つの資料に対して、我々プレイヤーは「この資料は、ストーリー全体において、どのように位置づけられるべきか」と真顔で検討を加え始めるのです。それによって、自分のセクハラ行為が決して犯罪行為などではなく、(ある意味での)科学的探求の一環であったと納得します。そしてそれによって、自らの行為に「探求」という新たな価値が付け加えられ、しかも都合のいいことに、自己に関する意識も一気に低下します(もはや、プレイヤーは主人公ではなく、客観的研究者です!)。このような心理的状態においては、一般にフロー経験と呼ばれる没入体験が得られると言われていますが、さて、どうなのでしょうか。
👍 : 23 |
😃 : 16
肯定的
プレイ時間:
67 分
多分本当の序盤で詰まるバカは僕だけだと思うが、マジで20分近くわからなくてゲームが始められなかったので注意喚起
このゲームは選択肢がなく自分でキーボードで打ち込む必要があるのだが、コピーペーストなどが出来ないため完璧に打ち込む必要がある
そしてenable_aiと入力した後起動するAIを選択してください
*Hyun-ae(ヒュネ)と表示されるのだが
ここで入力するのはenable_ai Hyun-aeが正解である
もうね何回*Hyun-aeとかHyun_aeとか入力したことか・・。
もうこんなのクリックでいいじゃんなんでわざわざまた頭にenable_aiってつける必要があるの?これって常識なの?
👍 : 2 |
😃 : 0
否定的
プレイ時間:
372 分
[h1] 宇宙船に残されたログを調べて真実を探るアドベンチャーゲーム(日本語化済み) [/h1]
いわゆるアドベンチャーゲームであり大量の文章を読んで過去に何が起きたのかを調べていく。
二人のAIと対話しつつ文章を読むスタイルを取っていることが特徴的であり、同じログでも正反対の感想を言う所が面白い。
他のレビューでも言及されているがミソジニー(女性蔑視的な文化)がテーマであり
片方のAIはそれを文化として受け入れている一方で、
他方のAIはそれを全く理解できないという極めて対象的な描き方をしている。
このゲームの製作者は韓国に留学経験のあるカナダ人だそうで、
当時儒教的な文化と接して衝撃を受けたのが製作動機となっているとのこと。
こういった点を面白いと感じる人は購入してみよう。
なおギャルゲーっぽさは薄いのでそういうのが好みの人は他のゲームのほうが良いかもしれない。
[h1] ここが好き [/h1]
[list]
[*] 描写が中立的で文化に対する肯定派、否定派どちらの心情も真摯に描いている
[*] 後半に登場するハッキングステージが楽しい
[*] 人間関係が大分複雑なのだが、ゲームの進行にあわせてガイドが追加されていく
[/list]
[h1] ここが今一 [/h1]
[list]
[*] ガイドがあってもなお人間関係を把握するのが辛い
[/list]
(2016/05/16)
👍 : 8 |
😃 : 2
肯定的
プレイ時間:
547 分
主人公が漂流する宇宙船に調査のため乗り込み、そこでかつて何が起こったのかを、船のAIと協力しつつ探っていく、という形式のヴィジュアルノベル。
ゲームシステムはシンプルだが、かつての朝鮮半島の歴史の暗部を組み込んだ、悲劇的で暗く、危うさを孕みながらもどこか愛に満ちた、読みがいのある物語になっている。
SFミステリとしてのストーリーとGUI、CUIの組み合わせといったゲーム的なガジェットの組み合わせがよくマッチし、独特な世界観を生み出しているように思う。
steamにおけるヴィジュアルノベルというものを他にプレイしたことがないので比較ができないのだが、個人的にはとても満足したし、おすすめできる作品。
P.S.
[spoiler]エヴァ・ブラウン[/spoiler]になった気分を味わえるゲーム、というレビューがあったが、言い得て妙に思う。
👍 : 5 |
😃 : 0
肯定的
プレイ時間:
758 分
これは、痛みに満ちた、スペースフェミニズムに関する物語です。
登場する宇宙船にはレーザー砲や超高性能暗号解読装置などはなく、未来のものとは思えないほど古臭いインターフェイス、かわいいAI、そして宇宙探偵しか居ません。
このゲームのプレイ時間のほとんどは、AIが与える失われた歴史に関する古文書を読むことに費やされます。
そしてそれらの記録は過去に起きたこと。
過去は、変わりません。
それらのことを「それでもいい」でもいいと思えるのならば、痛みを感じてみてください。
👍 : 10 |
😃 : 0
肯定的
プレイ時間:
488 分
数千年間漂流していた宇宙船のログから
過去に何があったか探るというADV。日本語対応。
主に死者の日記や手紙を読み、船内のAIが補足の情報を加えていく
という形式をとっている。
ストアページを見ると韓国産のゲームのように見えるが
実際にはカナダ産のゲーム。
世界観は李氏朝鮮王朝をイメージして作られており、
韓国ドラマをそのまま宇宙船内にした感じ。
読み応えのあるシリアスドラマを2~3時間という
コンパクトなボリュームで上手くまとめていると思う。
個人的にはエンディングあたりでいきなり
ギャルゲー的なノリになるところに違和感を覚えたが
それ以外は値段に対して満足度が高いゲームだった。
(セールで196円で購入)
👍 : 7 |
😃 : 0
肯定的
プレイ時間:
384 分
ログ発掘ビジュアルノベル。試行錯誤や文字入力が要求され、プレイ感覚はクリックアドベンチャーに近い。ただのビジュアルノベルは疲れるかたでも面白く読めるかもしれません。
日本語が追加されたので日本人でも手軽にプレイできる。クリアまで3時間ほど。レビュー最後半の黒塗り部分以外ネタバレを避けたレビューです。
[h1]----------内容-------------[/h1]
何百年も漂流し、今は誰も生存者のいない世代交代型長距離宇宙船の過去ログを発掘するのがあなたの任務。過去ログ(複数人の故人の日記や手紙)を読みながら漂流船の2人のAIと内容について対話し、協力を得て過去を掘り下げて行きましょう。
この閉鎖された環境でどのような歴史が形成されていたのでしょうか?なぜ人々はいなくなってしまったのでしょうか?2人のAIは過去の歴史について異なる立場をとっていますが、2人の協力が必要です。あなたはどちらのAIを信じますか?それとも…?
今の世界は正しいのか?過去の道徳や倫理は間違っているのか?いろいろと考えさせられるゲーム。それでありながら押し付けがましさは少なく、エンタメとしてしっかり成立しています。
AIがとにかくかわいい。
[h1]------注意点-------[/h1]
見た目に反して男尊女卑などの性問題、性的表現、ドロドロと一部の方には好ましくないであろう内容が含まれているが、問題提起としての表現でありゲームの根幹と言える。しかしながら衝撃的な事件やヒステリックな表現は過去の記録として語られるので客観的に聞くことが出来る。
[h1]---更に内容を知りたい人向け(序盤のネタバレあり)--[/h1]
ストーリーを語らなければ内容について語るのが難しい。よって序盤の内容をネタバレをしつつ紹介。塗りつぶしにするので、買うか悩んでるけど、決め手がない。ちょっとくらいならネタバレオッケーとか読みたい方だけ読んで下さい。序盤の驚きをいくつか奪うことになるのでご注意を。
[spoiler] 貴族であるキムは、出世のために皇帝であるリュウ一族に花嫁をあてがうことを画策する。しかし彼に年頃の娘はもういない。だがキム一族に伝わる蒼い卵…繁栄の時代に開けと伝えられた卵。その中に入った少女を花嫁として扱えば繁栄は思いのままだ。キムは彼女を目覚めさせる。
蒼き卵から目覚めた少女は、この世界に困惑する。知識や文明は失われ、まるで中世の文明レベルだった。男女間での役割は固定され、女性は男性の道具、2流品として扱われている。そして顔も知らない男性と無理やり結婚させられようとしている。この世界の人々は私の話すら聞いてくれない。病気を治すために未来へコールドスリープしたのにこんなことって!
蒼き卵から目覚めた少女を迎えたキム家はこの少女に困惑する。まるで野蛮人だ。一族のためという道徳や女性としての慎みがない。女は男の、一族の意を汲むべきだ。皇帝との結婚は相手を知ってからにしたい?皇帝の花嫁となれるのは最高の幸せだというのに何を言っているんだ?
船内で何かが起こり、文明が退行してしまった社会。そこは李氏朝鮮に近い儒教的な男性優位の社会になっていた。誰もがそれであたりまえだと思っている。しかし、過去の男女平等の世界から来た少女にとってはそうではない。お互いがお互いを異物であり野蛮だと考えている。…そんな過去の世界の記録を二人のAIと共に探っていく。2人のAIは崩壊前世界の立場のAIと、再構築後の世界の立場のAIであり、蒼き卵の少女達のログをそれぞれの立場に立って話していくことになる。どちらのAIもそれぞれの価値観と正しさの指標を持っていて、ゆえに小さなことで誤解と対立が生じる。常識や思い込みを揺さぶってくるストーリー。[/spoiler]
👍 : 18 |
😃 : 0
肯定的
プレイ時間:
838 分
数百年前に住民が全滅した宇宙船
そこで生きて(?)いたAIに協力してもらい
かつての住人の残した手紙や日記を発掘して
その宇宙船内で繰り広げられた人間模様を読み解いていく
女性蔑視の強い社会で大多数のそれを受け入れる者、
主張すべきことは主張する者、
反発を招き力で押さえつけられる者。
AIは2人いるが性格が遠く立場も違うので、同じ文章でも見せた時の反応が違うのが面白い
文章量はそれほど多くなく数時間でエンディングまで行くのでお気軽に。
👍 : 12 |
😃 : 0
肯定的
プレイ時間:
212 分
[quote=*Hyun-ae] 人と話すなんて、何年ぶりだろ・・・ [/quote]
Christine Love代表によるLove Conquers All gamesが開発した本作は、
遠未来を舞台としながらジェンダー(あるいはフェミニズム)や個人と社会の関係、さらにはトランスヒューマニズムなど現代にも通ずる問題を扱う。
テーマについて深く突っ込むことはネタバレを避けられず、ここでは置くこととしたい。
Christine女史のその他の作品に触れた方であれば社会的な問題へ言葉を投げかけるような作品であると想像されることだろう。
[h1]ストーリー[/h1]
歴史学協会からの依頼で宇宙船「ムグンファ」が何故大昔に廃墟と化したのか調査することになったあなたは、メインコンピュータに接続してすぐに*かわいい*AI、*ヒョネと出会う。
彼女が最初に覚えておいてほしいと云った言葉は、「男尊女卑」。
調査を始めてすぐに「ムグンファ」の内部はテクノロジーも社会そのものも李氏朝鮮王朝に酷似した世界と化していたことが判明する。
また、調査の過程で船のセキュリティー担当、*ミュートと接触することとなる。
二人の少女AIと会話し、ログを参照し、ログを提示し、次第にあなたは遠い過去の真相に迫っていく。
[h1]システム[/h1]
このゲームは主に人々やAI(*ミュート)の書き記したログを参照していくこととAIとの会話によって進行する。
ログは最初にごく少数が提示され、それをAIに見せると新たなログが提供されたりAIがどう考えているか反応をもらえたりする。彼女たちの言葉からもムグンファで何が起こったのか仄めかされてきており、プレイヤーはそれぞれの推理と共にログを行き来しながら真相に迫ることとなる。
私は「*ヒョネchang!!」や「*ミュートちゃんツンデレかわいい」などの言葉を投げかけて接続を強制的に切断され宇宙にただ一人で浮かびたかったが(SPAAAACCCCCEEEEE!!)、残念ながら廃墟と化してからの数百年のうちにこの船のインターフェースは故障してしまったようでAIが提示する二択を選ぶしか返答の方法はない。
(ちなみに続編のHate Plusでは三択になった。技術の進歩だ。)
またコンソールに入ってシステムの操作をすることも可能だ。レビューとかだとコスチューム色々あるけど? と思った人はどうか期待していてほしい。
一本道のようでありながらノンリニアなところも大きい。
詳しく語ることは避けるが、このゲームに対話とコンソールの二つの階層が存在することはプロットにもそしてプレイヤーの選択にも思いがけない形で関わってくる。
[h1]テーマ・デザイン[/h1]
テーマについては先述のとおりネタバレを避けるため既に述べた以上は語れないが、それを語る上で様々な人が記した多数のログを巡っていくデザイン(製作者いわく「電子書簡小説」)が上手く機能している。
舞台は李氏朝鮮時代に近い空間であり、その世界に違和感を持つ*ヒョネと当たり前の世界ではないかと思う周囲の人々、そしてセキュリティーの担い手として「ムグンファ」最後の日々を見つめていた*ミュートの価値観や一方通行の/双方向の憎悪が当事者の立場で記録されているのだが、これにコメントを挟むのはあくまでどちらかのAIだ。補足された「真実」は真実なのだろうか?
いたるところで二人のAIの考えは食い違い、コメントは食い違い、勘違いや忘れたこと、「忘れた」ことが現れる。あなたは文章の合間に何かを読み取るかもしれないし、どちらかのAIに肩入れするかもしれない。
その結果はそれなりに大きく返ってくるのだがこれは遊んでみてのお楽しみで。
なお開始直後から*ヒョネのある点に違和感を感じる人もいるだろうが、その点については早い段階で説明される。
むしろそこから、あなたは*ヒョネをどんな存在だと捉えたらいいか思い巡らすかもしれない。
そして最後になったが、あなたと*ヒョネが最初からコミュニケーションに問題を抱えていること、
言葉を不自由なく操る彼女と二択でしか会話できないことは、大きな意味を持っている。
どうか二択の不自由さを味わってもらいたい。
[h1]おわりに[/h1]
おおうまじかよ海外産ビジュアルノベル、しかもSteamで!
この[b]ヒロイン[/b]?も[b]尊い……尊い……[/b]と思いつつもなんとなくスルーしていたのだが
PLAYISMからの日本語版リリースで話題になり、直後セールも来たので購入。素晴らしかった。
そしてプレイ後すぐに続編、ムグンファのyear 0を巡ってログの廃墟を彷徨するHate Plusを始めてしまうこととなる。
こちらは表現・語彙ともに晦渋なものはないが、やはり文章量が多いので広くおすすめするために日本語化を願っている。
(12/28投稿、レビュー時の達成度:ログ80%、エンディング4種)
※余談だが、起動後英語版になっている場合はオプションから言語設定を変更するとよい
👍 : 43 |
😃 : 2
肯定的