Spiritfarer®: Farewell Edition のレビュー

想定された体験を得るには不備があります。 船の移動は目的地を設定してそちらへ向かう上で、距離に応じた時間がかかる。その間は単調な作業の繰り返しで徐々にすかすかな部分が目立ってきます。プレイヤーは効率化の要求が大きくなり、シナリオが進行する要点だけを拾ってゲームを進めたくなっていきます。 最初は海域に障害があり航海範囲が限られており、その障害を超えるには船の強化が必要になります。あるキャラクターのシナリオ進行のための目的地が範囲外にあり、これが後に大きなストレスになります。 船を強化するにはキャラクターとお別れをすることで得られるアイテムが必要になりました。そうして思ったのが「乗船したキャラクターの中で誰がお別れに近いだろうか」ということでした。キャラクター個別のシナリオを進めていくと最後に死後の世界へ送るお別れができます。早くお別れしたいと思ったため、ハグも作業になりました。キャラクターのことはどうでもよくなり、シナリオを進める理由がなくなり、ゲームは途中で投げました。 もし単調な作業が自動化できて、旅の合間には面白いシナリオが詰めてあれば、プレイする中でいつの間にかお別れの時が来たと受け取り方が変わっていたと思います。別れは突然に自然に訪れるものだと思うからです。このゲームの設計ではそれを急いでしまいます。良いところは多いのに残念です。 街に入るとマップは横に長いのにわざわざ船のところに戻らなければマップに戻れません。単純な話ですが、左端から右端へ行ったならその分戻らなければなりません。これはいつでも船に戻れるようにしてほしいです。あと卵みたいな岩が気持ち悪かったです。