Old World のレビュー
『Old World』は敵対する指導者たちを相手に、何世代にもわたって王朝を統治していく革新的な歴史ストラテジーゲーム。大規模な戦いを繰り広げ、臣下を管理し、王朝を築きあげよ。瓦解する帝国を見届けるのも、後世に遺産を残すのも、全てはあなた次第だ。
アプリID | 597180 |
アプリの種類 | GAME |
開発者 | Mohawk Games |
出版社 | Hooded Horse |
カテゴリー | シングルプレイヤー, Steamの実績, スチームクラウド, マルチプレイヤー, PvP, オンラインPvP, コープ, オンライン協力プレイ, 共有/分割画面協力プレイ, 共有/分割画面, リモートプレイテゲザー, クロスプラットフォームマルチプレイヤー, 共有/分割画面PvP, Steam トレーディングカード, スチームワークショップ, レベルエディターを含む |
ジャンル | ストラテジー, シミュレーション |
発売日 | 18 5月, 2022 |
プラットフォーム | Windows, Mac, Linux |
対応言語 | English, Portuguese - Brazil, French, German, Spanish - Spain, Simplified Chinese, Traditional Chinese, Japanese, Russian |

4 673 総評
3 841 ポジティブなレビュー
832 否定的レビュー
スコア
Old World は合計 4 673 件のレビューを獲得しており、そのうち 3 841 件が好評、832 件が不評です。総合スコアは「」です。
レビューのグラフ
上記のグラフは、Old World のフィードバックの傾向を示しており、新しいアップデートや機能が導入された際のプレイヤーの意見の変化を視覚的に表しています。このデータを通じて、ゲームの評価の推移を理解できます。
最新の Steam レビュー
このセクションでは、{name} の最新 10 件の Steam レビューを表示し、さまざまなプレイヤーの体験や感想を紹介します。各レビューの概要には、総プレイ時間、肯定的・否定的な反応の数が含まれており、コミュニティのフィードバックを明確に示しています。
プレイ時間:
15797 分
civみたいで面白いです。
たまに英文になるのが難点です。
👍 : 1 |
😃 : 0
肯定的
プレイ時間:
6297 分
このゲームのリードデザイナーがCivilization4の時マニュアルに書いたデザイナーズノートが名文で、それを読んで自分は世の中に「ゲームを分析的に作る」開発手法が存在することに気づいた記憶があります(余談)。
で、その頃の才能が翳るどころか、ますます洗練されたものが本作Old World、そんな印象です。
「あくまでゲームとして面白く遊びやすいシステム」と「実際の歴史や社会を作っているような絶妙な感覚」という、4Xの矛盾した魅力の実現においてOWは超傑作だと思うのですが、ちょっと伝わりづらかったり、大きく好みで分かれそうな部分もあります。熱心なファンもいるわりに、いまいち定番タイトル級になりきれないのもそこが一因なのかもしれません。
Civを主軸に人材システムや隣接ボーナス系の街づくりを備えた全体像にはさほど斬新さがなく、テーマとする期間も古代のみと、ありきたりや地味と受け取られても仕方ないところはあります。[b]ですが、[/b]命令ポイントやランダムイベントで支えられた具体的ゲームデザインと細部が極めて優れていて、そこにこそ自分はOWのユニーク性を感じます。
そんな細部を挙げていくとマニュアル書き写すのと変わらなくなるため、いくつかピックアップすると:
・命令のポイント制は何をするか取捨選択する戦略的な側面も当然ありますが、副産物としてマイクロマネジメント低減に大きく貢献してます。
要はポイントが尽きたら何もできないというのは、何もしなくてもいいのと同義なんですよね。顕著なのが、どんな大軍隊を作ろうと動かせるのは命令ポイントの範囲内なので、おのずと軍と戦争が妥当なサイズに収まる点。
また4Xプレイヤーにとって厄介な戦争中の内政にしても、そもそもできないんだから仕方ない、という割り切りが成立します。前線が1タイルの差で生きるか死ぬかしてるのに労働者や宮廷に回す命令ポイントなんかねえ!というわけです。逆に国内を整えたければ戦争をやめるべきで、そこに戦争と外交のメリハリが生じます。
第2の副産物として、窮屈なパラメータやペナルティをそぎ落とせています。上記の例で言うと軍サイズに対する累進コストや厭戦ペナルティがOWでは不要です。それでいて兵站や行政能力といった現実らしさも再現できている。
3つめに小さめのメリットを挙げると、命令というリソースで縛れてるため全体的にユニットの移動力が高く、ユニット配備に関するフラストレーションもだいぶ抑えられています。なんなら命令を大量消費して1つのユニットをとんでもない所まで動かすことも可能。さすがに通常を超えた移動はコストが倍増し、乱用は推奨されない作りですが。
・ランダムイベントはなかなか強烈で、Paradox作品比較だと体感2倍は影響が大きく、頻度も2倍ほど発生します(設定で頻度を下げたりオフにはできる)。私も初見はドン引きしましたが、遊んでみるとこれがしっかり役割を持っているんですよね。
たとえば「他家から身内を大臣に据えろと圧力をかけられる」イベントが発生し、現職大臣はかなり有能、しかし当の氏族は軍の主流派閥、みたいな状況だとします。氏族を満足させて戦争で頑張ってもらうのもいいですが、切った大臣が恨みで何かしでかすリスクが残ります。そもそも優秀な役職の出力するパラメータ上の恩恵は馬鹿になりません。
巧みに相互作用するシステム上で、この極端なイベントがある種のリソース配置を生成していると言えばよいでしょうか。別の表現をするなら「引いた初期立地にどういう都市を作ろうかワクワクする」4X序盤のあの感じを、ゲーム全体に拡大したらどうなる?という試みかもしれません。
ここらはロールプレイ的意味合いの大きいParadox作品のイベントとは方向が異なりますね(もちろんどちらが優れているという話ではなく)。
なにより史実や当時の習俗を絡めたイベントはシンプルに面白く、単純なトレードオフばかりにならないよう工夫されてます。プレイヤー指導者の属性もかなり影響し、こういう作品でフレーバーにとどまりがちな「善良」といった性格も獲得を狙う理由があるくらいになっています。
逆に前述のたとえで言うと、初期立地は安定して優秀であって欲しい、悪ければリセットも辞さない派の4Xプレイヤーにはやはり好みを外れるゲーム性かもしれません。
・入植候補地が決まっている(数タイル分の範囲はある)のもCiv系4Xでは思いきった仕様ですが、想像以上によく機能してます。なにしろ都市スパム問題と、息苦しくなりがちな拡張ペナルティを両方消せてます。[strike]そもそもCiv4に強い拡張ペナルティを導入したのが本作開発者なので、これはマッチポンプじゃないのかという気もしますが。[/strike]
固定とはいえマップ生成に合わせて候補地もランダムなので、単調には全然なっていません。むしろ人間は資源出力を最大化するように置くのでどうしても画一的になりがちですが、OWでは良い塩梅にそれっぽい都市配置になる感じがします。
また都市間を埋める国境線を拡大する手段も複数用意され、自国の領地同士なら最初から融通でき、だいぶ好きにやれる作り。
他にも、影響が分かりにくかったり把握が面倒になりがちな氏族、宗教、諜報活動などうまく割り切ってシステム化され、一方でプレイ中にドラマが見えてくる感じというか、ゲームだからと突拍子もない実装方法にはなっていません。
特に氏族(派閥)関係はめちゃくちゃ語りたいですが、レビューが倍の長さになりそうなので自粛。
戦闘は1タイル1軍事ユニットでユニット種別ごとに射程や特殊行動のある、いわゆる1uptのタクティカルコンバット。本作のAIはユニット特性や戦闘ルールをかなり使いこなし、同等国力では負けるリスクも無視できない程度には手強いです。つまり戦争がちゃんと面白い。
一方で戦争自体のシステムは単純で、宣戦を阻むのは停戦直後の5ターン猶予くらい。同盟は特定属性を持つ指導者のみ可能(このあたりも指導者の個性が飾りではなく、ゲームプレイを大幅に変化させてます)なため、連鎖宣戦はかなり起きにくくなっています。多分、古代なんだし気軽に殺り合えってメッセージです。
・現在はUI含めプログラム的な完成度も十分高く、終盤でも大して重くなりませんし、毎ターンオートセーブしているのにターン移行処理も早め。自分はしばらくオートセーブがデフォルトなことに気づきませんでした。
特筆すべき点として、あらゆるアクションをターン開始時まで無制限にアンドゥ・リドゥできます。イベントで重大な選択をしようが、斥候でFog of Warの中を見た後だろうが、戦闘行動だろうがお構いなしです。言うまでもなく非常にチート性の高い仕様ですが、そもそもセーブスカムをすれば同じことは可能だし、それよりプレイヤーの利便性を取ったということでしょう。
実際、命令ポイントやCiv6系の複雑な建設条件の管理は、(特に慣れないうちは)アンドゥなしだとちょっとやってられないところはあります。なおランダム関係はターン毎に確定しているので、乱数引き直しをやる理由はありません。
もう1つゲームプレイ以外で書いておきたいのは曲の良さ。こういう作品のBGMはクラシックやアンビエント系でまとまりがちですが、格好良く耳に残るものが多いですね。
・と、本当は色々な方にお薦めと言いたい作品ですが、それを阻む要素も幾つかあります。
- ゲーム内辞典が微妙です。チュートリアルは充実してますし、データも網羅されているのですが、もう一歩踏み込んだ説明がざっくりすぎたり記述抜けがあったり、全体的に完成度が極まってる中ここだけ謎のWIP感が漂います。
さらに日本語だとシステム用語まわりの翻訳が粗めで初期ハードルを上げてます(まず最初に都市を作る時点で、これは各氏族の私領扱いになるのですが、Manorを邸宅と訳してるので「なんで家建てるんだ…?」と首をひねる羽目に)。イベントや解説文などの長文はほとんどが自然で良い訳だったりするので、一度覚えてしまえば問題はないのですが。
- ゲームのコンセプト上どうしようもない話ですが、プレイ中は息つく暇もないほど面白い一方、終わり方がにょろっとしてるといいますか…Civが古代から現代まで描いているのは飾りではないんだなぁという印象。もちろん都市は立派になり国内は様々な人材で溢れ、OWなりの進歩した感はありますが、とはいえ航空機や核といったパラダイムシフトが起こるわけではないですしね。
1ターン1年設定だと決着ターン数はだいたい100強なので1ゲームも短めですが、これは人によっては長所でしょうか。
・最後に軽くDLCに触れておきます。4Xに欲しい要素は本体で揃っているため、おおむねDLCはその深掘りといった形。たとえば神々の怒りはいわゆる災害DLCですが、これも元からあるランダムイベント制のバリアントといった趣きで、特に厄介だったり難易度を上げるものというわけではないです。演出がとても雰囲気あるので、自分は1、2回慣らしプレイで切った以外はオンにしています。
またOWでは指導者が属性の組み合わせだけではなく、それぞれ独自の仕組みで表現されているので(エジプトのクフは、死後もピラミッドのある都市に建設バフを残したり)文明追加DLCのプレイバリューは高いです。
玉座の影はやや例外的に、タイトルだと諜報関係に見えますが「プレイヤー指導者に伍する国内有力者」が生まれるようになる新要素DLCで、これは単に権力が欲しい貴族であったり、英雄であったりします。烹ないといけない走狗、グリフィスに対するガッツみたいなもので、頼り甲斐のある部下であり友(プレイヤーにとっては優秀なユニット)が、しかしいずれ刃をこちらに向けてくるかも…とかエモ展開もあり得ます。
ただ内戦が起きやすくなるため、難易度というか情報量は相応に増える感じでしょうか。
再三になりますが、命令ポイント制のためDLCで「やれること」が増えても、それはプレイの幅であって総操作量はさほど変化しないんですよね(厳密には追加された効果などで命令ポイント上限が少し増えやすくなってるでしょうが)。改めてよく出来たシステムです。
ともあれどのDLCも導入価値は十分以上にあると思います。
👍 : 14 |
😃 : 3
肯定的