Children of a Dead Earth のレビュー
科学的に最も正確な宇宙戦争シミュレーター。今ならSteamワークショップ付き!
アプリID | 476530 |
アプリの種類 | GAME |
開発者 | Q Switched Productions, LLC |
出版社 | Q Switched Productions, LLC |
カテゴリー | シングルプレイヤー, Steamの実績, スチームクラウド, スチームワークショップ |
ジャンル | ストラテジー, シミュレーション |
発売日 | 23 9月, 2016 |
プラットフォーム | Windows, Mac |
対応言語 | English |
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9 総評
9 ポジティブなレビュー
0 否定的レビュー
否定的 スコア
Children of a Dead Earth は合計 9 件のレビューを獲得しており、そのうち 9 件が好評、0 件が不評です。総合スコアは「否定的」です。
最新の Steam レビュー
このセクションでは、{name} の最新 10 件の Steam レビューを表示し、さまざまなプレイヤーの体験や感想を紹介します。各レビューの概要には、総プレイ時間、肯定的・否定的な反応の数が含まれており、コミュニティのフィードバックを明確に示しています。
プレイ時間:
3047 分
The Expanseが好きならおすすめ。
👍 : 0 |
😃 : 0
肯定的
プレイ時間:
11561 分
最終3ステージのDelta V Spentを除いた全項目で参考記録以上の記録までプレイしました。
(なぜかそれで全てのステージでゴールド(全項目で参考記録以上の記録を獲得)を獲得できてしまっていますが……)
良い所
・懐の深い難易度と対応手段
特別指定が無い限りにおいて・それぞれを可能とする機能が開放されて以降は
大量のデルタVを持たせた船やミサイルで潤沢に推進剤を使って素早く移動したり、核を雨霰と降らせてもいいですし
デルタVとして扱われない火薬で加速できる砲やブラストランチャーで子機の類を事前に加速して送り込んでもいいですし
派手にフレアを焚いてミサイルを明後日の方向に誘導してもいいですし
主力船のラジエーターを畳んで小型ドローンが一番の熱源になる様にしてミサイルの目標を変えさせてもいいですし
軽量・小型・高性能なモジュールを用意して性能差で蹂躙してもいいですし
一通りの事はできるデフォルトのモジュールだけのクリアを目指してもいいですし
敵の事を気にせずクルーモジュールを粉砕してもいいですし
敵の事も気にして武装と移動能力を奪っての無力化に留めてもいいです。
・奥深い設計
デザイナーさえ開放されれば武装一つとってもその発射物から作る事が出来てしまうので
ミサイルをポンポン撃ち出す大砲を、そのミサイルを構成するモジュールの段階から作る事も出来ますし
発射装置を搭載した物体を撃ち出す発射装置を搭載した物体を撃ち出す発射装置を……と入れ子構造にして任意の段数の加速を与えて何かを撃ち出す事も出来ますし
「ミサイルの性能を変えずに重さや値段を抑えられる・かさばるパーツを採用したら、船1隻としての重さや値段はむしろ増えてしまった」だとか
「長い射程の武器を運用する為に色々積んでやたらと大きくなった船より、小さい船に普通の射程の武器を乗せる方が敵味方の有効射程の差で有利になった」だとか
自由度の高さと与え得る影響の広さに頭を悩ませる事ができます。
・地に足の着いた技術ばかりの世界観
このゲームで扱える代物は砲なら火薬式砲・レールガン・コイルガン、砲とはちょっと違うけれどもレーザー
爆発物なら火薬そのもののHE(広義の榴弾)・それに覆いを付けたFlak(一般的な榴弾はこちら)、そして核分裂弾
電源なら原子力電池と核分裂炉、推進器なら化学ロケット・レジストジェットロケット・MPDスラスタ・核熱ロケット
そして多くの物を冷却する為のラジエーター
ゲーム的デフォルメ等はあるにしろ、現代の延長線上に十分あり得るであろう代物ばかりで好きに宇宙船を作って・戦えるゲームが他にあるとは寡聞にして存じません。
難点
・日本語での情報が少ない
元々海外のゲームであり・日本語化も有志によるものなので、このゲームに関する情報をゲーム外で集めようと考えると基本的には英語を何とかする必要があります。
とはいえ現代はブラウザ次第とはいえ表示したページを日本語に翻訳する機能だとか画像から文字を読み取って翻訳してくれるソフトが存在する時代なので、自力で英文を読めないとしてもそれなりになんとかなると思います。
(時に変な翻訳が出てきたならそれを雰囲気で解釈したりする必要はありますが)
悪い所
・圧倒的に不足するチュートリアル
最低限ゲーム本編の操作説明のチュートリアルはありますが、殆どそれだけです。
戦術・戦略も、敵と武装の相性も、シップ/モジュールデザイナーもゲーム側から直接教えてくれる様な何かは無い物と考えた方がいいです。
自分の経験でにしろ・他のプレイヤーの言葉からにしろ、何とかして学んでいけないとプレイは困難でしょう。
・不安定な軌道計算
おおよその値としてはともかく、細かい部分を見ていくと時に軌道が妙な角度で飛び跳ねたりするなど計算に不安定な部分がある様に見受けられます。
そしておおよそでは合っていても細かい所まで合わせられなければまともな戦闘どころかすれ違いにすらならないのがこの広大に過ぎる宇宙なので、目標に最接近するタイミングで発生すると致命的です。
・ここぞで機能しない自動インターセプト/フライバイ・Join機能
精度や効率はともかく自動で敵目標に接近できる軌道を取ってくれる自動インターセプト/フライバイは存在しますが
重力の影響が強い場所など特定のシーンでは上手く計算が出来なくなって完全手動でインターセプトする事になる場合があります。
またそれに必要になるデルタV量の計算などもだいぶ不安定な様で、最初に提示されたそれと大差ない事もあれば・桁の違う量のデルタVを要求してくる事もあるし
はたまた多少軌道が変わっただけで異様にじっくりと接近する場合もあるなどあまり使い勝手がいいとは言えず、それらの機能を利用するにしてもプレイヤーによる介護が必要な事もままあります。
・艦の受けるダメージの複雑さに対する出力の乏しさ
このゲームにおいて被害の情報は「モジュールの破損」「装甲の状態(健在/ダメージあり/破壊)」「装甲の赤熱状態」「艦の無力化情報(乗員が全員死亡/電源を喪失 など)」などでふんわりと認識する他ありませんが
「装甲の破壊には至らなかったものの、衝撃波で内側が剥離・飛散してモジュールを破壊した」でも「外側の装甲が破壊されたもののホイップルシールドが機能して内側の装甲で止まった」でも装甲へのダメージは破損止まりとして示されますし、その2つで違いがあるとすれば内部モジュール破損の情報が出たかどうかくらいになると考えられます。
内部的に起きている事は複雑なのに、それを認識する方法があまりに乏しいので艦や兵器の改善は大抵手探りで行う他ありません。
総評
恐ろしくとっつきにくくも、そこを抜けられれば合う人には合う宇宙シミュレーション/宇宙船および宇宙船モジュール設計ゲーム。
👍 : 1 |
😃 : 0
肯定的
プレイ時間:
796 分
Excellent space combat sim with realistic physics!
👍 : 0 |
😃 : 0
肯定的
プレイ時間:
231 分
は?
確かにモジュール製作はすごい魅力的、砲身の素材まで変えられるのはほかに聞いた例がない。
問題はそこにたどりつくのが死ぬほど面倒くさいこと。
普通のサンドボックスゲームでは最初の段階ですべてが解放されているモード(いわゆるクリエイティブ)と、段階を踏んで学習していくモードが用意してあるものだ。
しかしこのゲームではなぜか、チュートリアルを一定まで進めないと(それも結構応用的な内容まで)解放されないのだ。
かれこれ数時間、不親切なチュートリアル(しかも後半では解説すらなくなる)と格闘し、くだらない火葬戦記に付き合わされたが、もう我慢の限界。
最初からシップ作成とモジュール作成は開放しておいてくれ。
追記
全開放は見つけましたが、微妙に見つけづらい場所にありました。ので高評価にはしておきます、ただもう少し見つけやすい場所においてください。
👍 : 3 |
😃 : 0
肯定的
プレイ時間:
7827 分
実際にこれがリアルなのかと言われると諸説あるかと思いますが、
少なくともリアル感は抜群です。
初速50km/秒で相手を粉砕するレールガンから
ご家庭でも使える500W電源の20mm無反動砲まで、
ヘリウムを使ったイオンエンジンから
同志が好きそうなヒドラジンロケットまで。
ご自由に設計してご自由に飛ばしてください。
BGMも良いです。
総評:帰り際、上司に「明日までに原子炉設計してきて」って言われても困らなくなるゲーム
👍 : 12 |
😃 : 12
肯定的
プレイ時間:
948 分
軌道力学を用いて敵を叩いたり味方艦と合流したりと、最初のうちはパズルゲームのようで楽しく
軌道操作の煩わしさを上回る「楽しさ」を与えてくれる。
推力を操作して、他星の軌道にある艦と接触できた時の達成感は他では味わい難い独自性を生み出している。
しかし、その後に登場する敵艦の攻撃への対処や、その敵艦(またはそのミサイル、ドローンなど)を撃ち落とす為に
適した兵装を自身で選び出し船を組み上げるということに対してチュートリアルが不足している。
英語に明るければ多少は読み解けるが、日本語であっても馴染みのない軌道力学用語に加えて兵装の選択、ロケットブースターの採択とそれに合わせた燃料タンク、クルーを収容する区画にそのシールド、そしてほぼ全てに付随するラジエータの存在。
ここまでの難関に対して、例えばゲーム「アーマード・コア」のユーザなら心踊る羅列ではあろうが、各項目の説明があまりないのでわかりにくさが勝ってしまった。
軌道力学や兵器の特性を説明するテキストは存在しているが、それは「ゲームの説明」ではなく現実にどういった特性があるかの表記が多く、それがゲームにどう作用しているかがわからないので作者の自己満足のようになっている感もある。
それを隅々まで読破し、乗り越えられるなら、このゲームは唯一無二の神ゲーとなるだろう。
👍 : 3 |
😃 : 0
肯定的
プレイ時間:
17758 分
さてセール期間で大幅に安く買いましたが、定価で今から買いなおしたいくらい楽しめました。
150時間もプレイしようとは・・・
これがどのようなゲームかは戦闘主眼のKSPみたいなものと説明されることもあります
Δvを消費して敵艦と軌道を合わせて戦闘をするというのは好きな人は面白いはずです
しかしそれ以上に、シナリオをある程度まで進めると解放される機能
「艦船の設計」と「モジュールの設計」ができるようになってからが私にとって本番でした
先に解放される艦船の設計機能で作れるのは主力艦だけではありません
主力艦から発射される小型機(つまりミサイルや戦闘用無人機)も設計できます
どのロケットエンジンを使うのか
それぞれのロケットには使用する推進剤やその時間当たり消費量に重量や推力が設定されてます
たとえばミサイル用にはエンジン単体は小型軽量になる化学燃焼ロケットを使いがち
主力艦には大出力が出る核分裂-熱ロケットが使いやすいとか
(そのロケットエンジンの設計は後述の「モジュールの設計」でできる)
そのエンジンに供給する燃料はどれだけ積むのか?
多く積むとそれだけΔvを稼ぎやすいが船が大型化してしまう
大型化するとそれだけ敵の攻撃が遠くから当たりやすくなってしまう
でも少なすぎると敵と戦う前に燃料切れしやすくなってしまう
どの武装をどれだけ搭載するのか?
強力かつ長射程な武器はそれだけエネルギーが必要になりがち
そのエネルギーを供給する原子炉を大型のを搭載すると発熱も増える
発熱が増えるとそれだけ大きな放熱板が多く必要になり弱点が大きくなってしまう
船の冗長性をどう考えるか?
一つの燃料タンク、一つの乗員室、一つの武器、一つのエンジン、一つの放熱板、一つの発電機
そんな構成の船はどれか一つでも潰れた時点で戦闘力が失われてしまう
だからなるべく船は冗長化されているべきだがどこまで冗長化すべきなのか
冗長化をしっかりした船はそれだけ大型化して高価な船になっていく
冗長性ある船1隻と、安いけど冗長性がない船2隻ならどちらが全体の冗長性があるのか?
装甲はどこまで搭載するのか?
装甲はあればあるほど船が生き延びやすいけど重く高価になっていく
重量が重くなるとΔvが減ってしまうか燃料を増やすかする必要がある
でも燃料を増やすと体積が増えてさらに大重量になっていくわけで面倒
だけど装甲は表面積だから、同じ装甲なら大型船ほど質量に締める装甲の割合が減るので(二条三乗の法則)
大型化させた方が装甲は盛りやすいという考え方もある
と、船の設計だけあげてもこんなに考えることがある
もうほんと何かを設計するタイプのゲームが好きな人にはたまらないと思います
(よく比較されるKSPもそういう需要を満たすタイプのゲームという側面があるな)
「モジュールの設計」ができるようになってからはもう大変です
砲だけあげても火薬発射火砲・レールガン・コイルガン
投射物の設計では核爆弾やその他爆発物
放熱板や燃料タンクに発電機
果てはミサイルに搭載する誘導装置が初期加速・中間誘導・終末誘導でそれぞれどのアルゴリズムで飛行するかなど
とにかく船に搭載できるものは何でも調整できるようになるのです
例として火薬発射式火砲の設計を紹介します
まず砲身の材質を選びます
この選べる材質がほんと豊富です
その素材それぞれにヤング率とか剛性率とか熱伝導率とか熱拡散率とか比重とか降伏強度とかいろいろあります
でその素材で作られた砲身の厚さはいくらにするか・長さはどうするか(厚くすると重くなるが強くなる)
発射に使う火薬の素材と粒子半径はどうするのか(それぞれガスの発生速度に寄与する)
砲弾の素材はどの素材にするか、重さはどうするのか
原理的には長い砲身で大量のガスを一度に放出させたガスで長い時間加速すると大威力になります
ところが、実際には大量のガスを一瞬で発生させると砲身が破裂してしまいます
そこで砲身腔圧曲線(x軸:砲身根本からの距離・Y軸:砲身への圧力)を参照します
このグラフは[/\_____]みたいな根元にピークがあって砲弾が進むごとに拡散して圧力が減っていく形です
燃焼速度が遅い火薬を大きな粒子半径に形成するとガスの発生速度が減ります
よって圧力のピークが後ろに下がってかつピークの高さも減って砲身が
すると、砲弾が進むごとに徐々にガスが追加されるので圧力が割れにくくなるわけです
ところが短い砲身だとガスの量によっては火薬が燃え切るより先に砲弾が出て行ってしまって火薬が無駄になる
しかし砲身を長くするとその分だけ砲身が重くなって全体の重量がかさんでしまう
なら砲身を長くするよりは火薬そのままに砲身を分厚くする選択とどちらが効率的か?
あるいは砲身を犠牲に火薬を減らして砲弾速度(≒威力)を犠牲にするのとどちらが合目的的か?
また砲身が強固であればあるほど精度が上昇しより遠距離を撃てるが、射程のために重量増大を許容するか?
さて、こういった細かい調整がモジュールごとに用意されてるわけです
ちなみに個人的に一番調整に苦労するモジュールはレーザー砲でした
キセノンなどを光源にコヒーレント光をクリプトン:YAGとかルビーとかで作るのですが
私に知識がないのでマジでよくわからんかった・・・
あと核爆弾を作る時にローソン条件を満たしませんとかいうエラーログ吐くゲーム初めてプレイしたわ
さて、そうやって苦労して作ったモジュールで、さらに船を作っていく
そのモジュールや船が設計した意図通りに動くのか試してみる
そしてまたモジュールや船を再調整して・・・ということをしていたら時間がメチャクチャ溶けた
ほぼ半月で150時間プレイしました
今計算したら半月って360時間しかないのかつけっぱなし時間を考慮しても相当だな・・・
2020-2021の正月期間はほぼこれに費やしてしまったわけだな
総合的にはメチャクチャおすすめなので興味がある人はぜひ買ってくれよな
👍 : 9 |
😃 : 1
肯定的
プレイ時間:
12183 分
終盤までプレイ、シップデザイナーとモジュールデザイナーを一通り触ったのでレビューを書いてみます。
11/24更新。「あと5分だけのつもりだったで」でノミネートしました。モジュールを作っていたら数時間なんてザラです(笑)
Children of a Dead Earth(以後、CDEとします)は、恐らくゲーム史上最も科学的に正確な宇宙空間戦闘シミュレーションゲームです。
全て英語な上、専門的な匂いがするので引けてしまうかもしれませんが、ご心配なく!チュートリアルは段取りを追ってハイライトも添えて親切に教えてくれますし、単語さえ読めればなんとなく理解できる様になっています。
さて本題ですが、基本はストーリーに沿って与えられるミッションをこなしていく形となります。そして、先ほど記述いたしました通りCDEは「ハードSF・宇宙戦闘モノ」です。もしかすると、火星とフォボスの間を相対速度毎十秒数キロメートルでお互いに弾道飛行しながら、数千キロメートルの彼方からレーザーや砲弾を撃ち合う、といったプレイ感覚をご想像されるかもしれないでしょうが(私もそうでした)、実際は長くて80キロメートル程度の距離まで接近して、初めて直接投射武器による撃ち合いが発生します。
これは、艦自体の装甲材や発熱量、大きさから、同じ武器でもこれらの要因によってそれぞれの艦に対する射程が異なり、その距離は意外に短く算出されるからです。これによって、タングステン弾を秒速6.5キロメートルで発射できるレールガンは、全長200mなど大型の艦などに対しては長大な射程を持ちますが、とても小さな攻撃ドローンやミサイルなどは被弾まであと数秒というとても短い距離でしか攻撃できない、という具合に武器の性質が大きく出てきます。なお後者のケースでは、減衰しないレーザー兵器が効果的です。
射程を無視して武器を発射させることも可能ですが、当たったところでほとんどダメージを与えられないか、無効化されてしまいます。減衰のない宇宙ならダメージが必ず入るはずですが、ここはゲーム性というか、シミュレーション上の都合という所ですか・・・。今後仕様が変わる可能性もあるので、その点はご理解ください。
引き続き戦闘についてですが、プレイ中は2つのパートで構成されてます。まずマニューバフェーズでは、艦隊(戦闘艦、民間船、ミサイルに限らず宇宙船のグループは艦隊とされます)の「デルタV」という移動力を消費して軌道を変更することが出来ます。これもチュートリアルで事細かに説明がありますが、3つの軸棒を行きたい方向に押したり引いたりするだけと、とてもわかりやすい仕様となっております。その他には、艦に搭載されていればドローンやミサイルの発射(これらも発射された分まとめて艦隊になります!)、艦隊の合流分裂などが可能です。敵艦隊がいれば、自軍艦隊の軌道を変更して迎撃に向かわせる事が出来ます。ドローンやミサイルを先行させて、遠隔攻撃をするのもいいでしょう。もちろん、敵艦隊も同様に攻撃を行ってきます。双方のデルタV、ドローンやミサイルの残弾数と、これらの迎撃をどうするかなど、奥深い戦闘が出来ます。そして、艦隊がもつ敵に対する射程内に敵が侵入しますと、戦闘フェーズに入ります。
戦闘フェーズでは、艦隊に属する艦に指示を出しながら、どちらかが殲滅されるか、戦闘距離外に出るまで、戦闘経過を見守ることになります。武器の使用はオートでやってくれますが、特定武器の使用禁止、敵艦のどこを狙うかなども設定可能です。大量のミサイルを時間差で突入させることも出来ますし、直接操作は不可能ですがとてもリアルで奥の深い宇宙戦を体験出来ます。
また、目玉コンテンツとして艦やミサイル、ドローンを設計することが出来るシップデザイナー、大砲からロケットエンジン、更には原子炉、はたまた核兵器まで設計可能なモジュールデザイナーがあります。前者は、既存かモジュールデザイナーで作ったモジュールを組み合わせて、装甲を施して一から艦を構築したり、既存の艦をコピーして改良することが出来ます。装甲は複合的に重ね合わせる事が出来、融点の高い素材で核兵器やレーザーの熱線に耐え、その下に硬いセラミックス系を敷いて高速弾を弾くなど複合装甲を構築して多段的に防御力を高める事が可能ですが、ほとんどの場合よほど高価で強力な装甲をメートル単位で用意しなければ攻撃を完璧に防ぐのは不可能ですし、重くすればするほどデルタVは下がってしまいます。なので、一か所を貫通されても戦闘能力を失わない様な、ダメージコントロールを重視した設計が要求されるなど、有効な艦づくりは奥が深いです。
モジュールデザイナーは艦の設計で使う各種モジュールを、専門家が唸る程細かく設計する事が可能で、例えば大砲の砲身の材料から、原子炉の冷却材、はたまた熱核ロケットのチャンバー厚まで設定する事が可能です。工学に興味のある方は一見の価値アリだと思います。自由自在に有効なモジュールをデザインできるようになったら、その分野で設計エンジニアになれるかもしれません。設計したモジュールで作った艦で、自分だけの戦略を練ってみるのも良いでしょう。
ここまで一通りレビューいたしましたが、総評としましては、宇宙戦だけでなく、細部にわたって制作陣の科学的な正確さに対する熱意が感じられる、科学好きにはたまらないゲームでしょう。
そして、戦闘のみに興味があって始めても、デザイナーを通して科学的、工学的な知見を得られる機会がある。
戦いながらも、「へぇ」と言いながらちょっぴり物知りになれる。そんなゲームであると私は思います。
9/10
👍 : 47 |
😃 : 0
肯定的
プレイ時間:
4266 分
[b][url=https://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/?id=1883227100]※ ワークショップにて日本語化MODを公開しました ※[/url][/b]
とりあえず日本語で不自由なくプレイ可能な感じになりました。機械翻訳の部分は少しずつですが自然になるようリライトを行っています(現在は完了)。サブスクしておいて頂ければMODの更新は自動でされます。
[h1][b]サンドボックスも兼ね備えた宇宙軌道戦争シミュ[/b][/h1]
太陽系内の各星系国家による壮大な宇宙戦争を背景とする宇宙戦シミュレーターです。重力ターンを駆使したスイングバイによる軌道遷移やドローン・ミサイルでの迎撃戦、戦艦の直接対峙による艦隊戦(小規模)などが楽しめます。
軌道コントロールについては[url=https://store.steampowered.com/app/220200/Kerbal Space Program/]Kerbal Space Program[/url]のプレイ経験があると非常にとっつきやすいかと思います。こちらは予定軌道線をクリックしてマニューバを調整するだけ、フライバイやランデブー操作は軌道を近づけた後にアイコンをクリックするだけと手軽になっており、プロットを設定した後の機首向けや噴射が手動だった(そこに面白みもありましたが)KSPよりだいぶ楽です。また、「着陸」「打ち上げ」などの地上要素はありません。
キャンペーンは細々としたミッションを順にクリアしていく形で時間泥棒という感じはなく意外に小粒な印象を受けましたが、艦やモジュールの設計機能があり、キャンペーンの途中から艦隊構成やデザインを自分で編集できるようになります。また、ミッションエディタも付いているのでハマれば自分で艦隊やモジュールを設計し戦場を設定することでシミュレーターとして長く遊べます。
[h1]GOOD───[/h1]
個人的に特筆したい点としてフレーバーテキストが非常に充実しています。地球が滅んだ経緯やその後に誕生した各勢力の国家史など、世界観はとってもハードSFで燃える他、現実の宇宙工学に関する技術文書から未来の宇宙戦闘のセオリーを考察するSF的文章まで(中にはゲーム本編と特に絡まない無重力空間でのCQCに関する文章なども)、単に読み物としても実に面白く読み応えがあります。(いま頑張って翻訳を進めているので英語がダメな人ももう少し待っていてください)
また、音楽はスローテンポでトランシーなニューエイジ・ブレイクビーツで、宇宙的な存在感がありつつも聞き疲れしない素晴らしいサウンドトラックになっています。控えめに言って最高ョ。DLCでは購入できませんが、[url=https://nigelstanford.com/Solar_Echoes/]作曲者のサイトを通して直接、またはAmazon Musicなどでのダウンロード購入が可能。[/url](ゲームフォルダにogg形式でダウンロードされるのでサントラ買わなくても聞くことはできます)
[h1]Not for everyone───[/h1]
非常にディープなやりこみ要素である艦・モジュールデザインですが、どう見ても万人向けとは考えられない敷居の高さです。ここはプレイする人によってGoodともBadともなり得ます。
エディット中に一応「このままでは機能しないよ!アレを追加してくれ!」的な警告は出るのでそれに従って作ればとりあえず動くものは出来るとは言え、デザイン機能周りは飛び抜けて上級者向けで学習曲線も考慮されているとは言い難い。膨大なパラメーターや素材を全て理解し、機能的な艦・モジュールを自作するために要求される工学理解はかなりガチのエンジニア(それも、本物の宇宙船を一人の専門家が設計しているわけではないことを考えると複数人必要な)レベルのように思えます。「こんなゲームやるくらいならNASAに就職しろ」とヤケクソ気味に揶揄するレビューもあるほどです。
デフォルトで用意されている軍艦は、敵の戦力が普通ならオールマイティに使える反面、無駄な装備も結構多いので、出撃艦の総重量とコスト制限内で編成に自由度が生まれるキャンペーン中盤以降のミッションでは艦隊編成or戦艦エディットの活用がほぼ前提となり、プレイ感がいっきにヘビーになります。フォーラム等読んだ限りでも、ここで詰んでやめてしまったプレイヤーも多そうです。
サンドボックス機能やレベルエディタも、ARMAのミッションエディタみたいな感じで設定項目はかなり細かいです。細部まで詰めた状況設定ができる反面、「パズル好きの人間の全員が、自分で問題を作ることを、問題を解くのと同じように楽しめるか?」という問題があり、エディタの敷居の高さと合わせて考えると「手軽にそれっぽいマシンを作っていろんなミッションを無限に遊べるぞ!」というタイプのゲーム性では決してありません。キャンペーンをクリアした後はあくまでゲーム的というよりはシミュレーター的な楽しみ方になるかと思います。
逆に言えば、ここが合う人にとってはこのゲームは真のSF宇宙シミュとして永遠に遊べるオンリーワンな一本になり得ます。
[h1]BAD───[/h1]
選択している艦や物体にカメラを追従させるカメラモードがない。
グルーピングの自由度が低く、バラバラか5体ずつか全部グループ化しか選べない。特に核ミサイルは誘爆を起こすので戦場に200発布陣しておいて50発ずつ時間差で誘導させたい、といったシチュエーションも少なくないため、かなり不便を感じる。
マップフェーズではターンベース風、コンバットフェーズではポーズ有りのリアルタイムっぽい時間経過システムになるんだけれどもこれがちょっと独特のシームレス感で慣れるまで戸惑う。特にミサイル・ドローンの複数発射において、マップフェーズに一度戻れるなら即時だがコンバットフェーズ内では時間がかかるので、敵の射程内でコンバットフェーズに移行してしまうと、まとめてランチできない。故に、戦闘突入前に布陣しておく必要がある。
個人開発のためか最適化がちょい物足りない。要求スペックを充分すぎるほど満たしていてもちょくちょく重くなったり落ちる。特に、射程無視発射オプションを有効にしたせいで弾数が異常に増えた時のパフォーマンス低下が顕著で、0.1FPSくらいまで落ちることも。ポーズすると視点はスルスル動かせるのでCPUの計算量的な問題か。海外の上級ユーザーによればおま環ではない、既知の問題だが避けられないとのこと。どうも、CPUのコアを複数使う設計になっていないらしい?[url=http://childrenofadeadearth.boards.net/thread/1029/low-cpu-use-frames]関連がありそうなスレッド[/url]
Space EngineやUniverse Sandboxなど美麗さが売りのスペースシミュと比較するとグラフィックはかなりショボめです。
[h1]総評[/h1]
現実の太陽系を舞台にしていること、惑星と軍艦などオブジェクトのスケール比が原寸大でシミュレートされていること、ごく近い未来を舞台としているので超光速航行や反物質爆弾・ブラックホール爆弾、あるいは重力操作といったSF的または未来的「すぎる」技術は登場せず、あくまで「現代の宇宙技術のちょっと先」を感じられることなどにも開発の宇宙シミュへのこだわりを感じます(エディットの敷居の高さはドン引きって感じですが)。雰囲気も総じて良く没入感を損なわないオススメの一本です。
※今のところ、プレイ時間の6割くらいは日本語化作業のために起動しっぱなしにしていたり動作確認を行っていた時間です。
[quote]
[i]このレビューが役立ったなら、ぜひ「参考になった」ボタンを押してください。また、他にも様々なゲームを [url=https://store.steampowered.com/curator/26084475-Suizin/]Steamキュレーターにて[/url] 紹介しています。[/i][/quote]
👍 : 148 |
😃 : 10
肯定的