One Small Fire At A Time のレビュー

彼女が魔法を使えるようになった時、その時がまさに問題だ。捉え方は様々だと思うが、私の場合噴出して爆笑した。 前作のan octave higherをやっていないと魅力八割減、要注意。

中世ファンタジー世界の"心の病(Lunatic)"を題材とした短編ヴィジュアルノベル。 ストーリー： 舞台は魔法が存在するオーバーチュアという世界。魔法はあらゆる病気を治すことができるが、唯一"心の病"だけは治すことができなかった。精神異常者は正気を取り戻すまでMadhouseに押し込められ、社会から隔離される。13歳の少女のJanisはそんなMadhouseの住人の一人。彼女は"魔力欠乏症(Magic Deficiency Disorder)"という病を抱えており、それは魔法が使えることが常識となっている世界にとってはある意味なによりも恐ろしい病だった。魔法が使えないJanisはいつもいじめられていたが、ある日、Janisは最強の魔導士と名高いAidan Woolfに救われることになる。 魔法が存在する世界観だけどバトルものではないのでそこは注意が必要。(戦闘シーンが無いわけではないが本筋じゃない。)前述の通り本作は"心の病”に焦点が置かれてます。なぜ魔法で治せないのか？そもそも何を以って病と定義されるのか？そういった心の病に関する議論が物語と織り交ぜられながら展開されていくのがとても面白い。 心の病に理解のない中世ファンタジー世界を描いているけど、この理解のなさはある意味現代にも通じるものがある気がするのは皮肉だろうか。 題材が題材なので全体を通して雰囲気は暗め。とはいえコメディ要素もありこれも魅力の一つとなっています。EnaとJoffのやり取りにはマジで笑った。 ヴィジュアルは有り体に言えば少し古臭いかもしれないけど、寧ろそれが中世ファンタジーの世界観に合っていてGood。 その他： ・実績あり(21個)。全エンディングを見ることでコンプ可能。 ・プレイ時間は実績コンプまで約10時間ほど。 ・選択肢ありのマルチエンディング。Trueエンディング1つ。Alternateエンディング3つ。 総評： 硬派なファンタジー物が好きな人にはおススメ。『An Octave Higher』の前日譚となっているので、本作が楽しめた方はそちらも楽しめると思います。 https://store.steampowered.com/app/352780/An_Octave_Higher/