Rocket Skates VR のレビュー

[h1]VRロケットエンジンに牽かれて善光寺参りゲー。[/h1] またの名を、スムーズ移動によるVR酔い耐性テストゲー。 左手がロケットエンジンで両足は全方向に転がるローラースケート。左手トリガーでロケットが噴射するので、ジェスチャー入力でロケットの推力軸を調節してコースを駆け抜けろ、みたいなゲーム。振り向きもプレイヤー自身の自力のみ。 ……なんだけど、完成度としては「こういうのを作りたいので予算ください」って提出されるサンプルレベル。 コース数だけは25とそこそこあるが、ロケーションとしては「いろは坂」的な山間のうねり道のみで、変化はほぼない。40分も遊ぶと全コース走破完了でエンディング。 序盤は左手のロケットで進み、所々に設置されている紫色の膜をくぐるだけ。中盤で右手が野球のバットになったり拳銃になったりするので、黄色い星をぶん殴ったり撃ったりする要素が追加される。 終盤で両手ともロケットになってゲーム内最速を堪能できるが、いずれにせよコースと右手でやることが紐づけされていて、ゲームモードを選べるわけではない。 常に一人で淡々と、なんの意味があるのかわからんサブ目標に気を逸らされつつ最速でゴールを目指して好タイムを狙うだけ。いや、そもそも誰と比べるのよそのタイムとスコア。リーダーボードなんかないじゃん。 ストアのトレイラーでも流れてるけど音楽はなんか不快なリラックス系で全然スピードを煽ってこないし、バットは短すぎて高いとこに浮いてるスターに届かないし、拳銃は撃ってもなんの音も振動もなく弾速も遅くてなんか追いつきそうになるし、スターは割ってもなんか「ぽっ」って泡が弾けましたみたいなしょっぼい効果音でまったく爽快感ないし、作った後になって道幅が狭すぎることに気づいたのでワールドサイズを2倍で描画して誤魔化しましたみたいなスケール感だし、作りたかったであろう物は好きだが、出来上がった物はろくでもない。 三段階から選べる速度域の最速のはけっこうギュンギュン進んで楽しいんだけど、それを使ってやれる楽しいことが用意されてない。 出しても300円までにしとけって思うゲーム。