Wolfstride のレビュー

　男達の再起をかけた挑戦と、自らの心への決着をつける物語 　ロボット(作品内ではメカ)が民間レベルまでおりて、その戦闘が見世物になった世界。かつての仲間からボロボロのメカを託された3人組は、意志の統一もままならない段階で、メカの公式大会に参加しようと物語が始まる。 　ジャンルはADV、基本的な流れは準備期間と対戦相手のメカとの戦闘を繰り返して大会優勝を目指す。 　準備期間にはミニゲームを行い、メカを修理・カスタマイズするための資金を稼ぐ。メカの戦闘は一対一のターン交代制のコマンドバトル。メカは頭、胴体、左右腕の4つのパーツに分かれており胴体を破壊すれば勝利。 　登場人物の因縁が絡み合い、そこでの誰かしらの独白で少しずつ主人公たちの失ったもの、得たものが明確になっていく過程は秀逸。そこかしこに日本の作品へのリスペクトが見られ、1960年代から現代までのメジャーな作品のネタが散りばめられておりクスッと笑える箇所も多く物語に入り込めていく。 　ただしオチは正直ひどい。デウス・エクス・マキナが出てきてしまって秀逸な物語を台無しにしてくれた。読後感に違和感ありすぎて真ルートでもあるのかと探したぐらい。 　主人公はその状況でも自分の心に決着をつけてくれるのだが、3人組の挑戦としてはその終わり方でいいのかっていう投げっぱなしのぎりぎりビターエンド。 　結論としては体験しても損はないが最後を許容できるかで評価が分かれるという作品。