Beholder のレビュー

政府の犬になるか、アパートの人たちのために動くか、どちらの人間になるかは、 自分次第。面白い。でもむずかしいです。

Papers, Pleaseを参考にしたゲームと言うことで丁度セール中だったのもあり買ってみた。 はっきりと言ってしまえばPapers, Pleaseには及ばないという印象。 住民たちの住居に忍び込んで趣味や情報、証拠を集めるのだが、もちろん住民が家にいる間にそんなことをすると咎められるので、いない間にコソコソとしなければならない。 住民の目に怯えながらそれらをするのは非常に面倒というか、監視ゲームなのに自分が監視されているかのような感覚に陥る。 それだけならいいのだが、ゲーム序盤で大金を要求されるために半ば強制的に金策のための情報収集を行わなければならず、プレイの幅が狭く感じる。 ゲーム中のすべての情報を知っていることがこのゲームを楽しむための前提条件で、そのためのルートを構築することに面白さを感じるような作りになっていると感じたのだが、そこまでするほどハマれなかった。 その後も少し続けてみたが、UIが洗練されておらず、報告書を書く時に違反番号の入力はまだしも、日付やアパート番号などをページを切り替えながらいちいち確認するのが非常に面倒くさい上にミスすると罰金を取られる。 報告書を書き終わり提出すると、特にミスをしたわけでもないのに罰金を取られたので、なぜかと思い画面を調べたら、どうやら報告書を書いている最中に引っ越しの準備(=アパートの住民ではない状態になった)をしていたようでそれが原因だったようだ。報告書を書いてる時にも時間が過ぎる意味があったのか疑問を感じると同時に、国民の情報を報告してるんだから素直に受け取っとけよとしか思えない。 発行日という項目があったので報告書を発行した日付を選択しようとしたのだが、選択ができなかった。なぜかと疑問に思っていたら、どうやら発行日とは違反が発行された日のことであって、報告書を書く日ではなかったようだ。分かりにくいし、なんでこんなもんを書かないといけないのか意味が分からない。 主人公がデフォルトで走らずトロトロ歩くのも微妙にイラつくし、街宣車のへたくそな声も嫌を通り越して不快感しかない。 ゲーム全体で金銭をいかに稼ぐかという要素の比重が大きすぎる上に、微妙な出来のUIでそれを上手く実行できないこともあり、それらがうまくかみ合わなかった時はものすごくイラつく。 監視しているという感覚はほとんどなく、プレイが終わっても金策の記憶しか出てこない。 セールで数百円で手に入れたのでまだいいが、定価1600円はあまりにも高すぎる出来だと感じた。