Kamifuda のレビュー

[h1]TCGビジュアルノベル[/h1] +魔術学園（ホグワーツ）+コズミックホラー+マーダーミステリー… 魔力を込めたカードを使って、古の魔術師の儀式を模した決闘を行うKamifuda. 主人公TarotはGloamrot大学に転入してKamifudaクラブに入部することに。 決闘を通してクラブメンバーと対話を深め、相手と自分の過去が少しずつ明らかになる過程で、秘密を共有する2人が救いを得ていく流れが◎。 ロマンス展開にも行けるが、選択によって異性愛にも同性愛にも舵を切れる。 ここの描写が誠実で、それ以前に主要メンバーの一人は両性愛者であり、インクルーシブで居心地のよい空間が展開された。 True Endの先がもっと見たい！

[h1]KAMIFUDAクラブの仲間達と主人公が紡ぐ青春エルドリッチホラー学園(冬休み)ノベルカードゲーム[/h1] とある理由で牢獄に収監されていた主人公が、期限内に魔術を磨き自身の有用性を証明することを条件にGloamrot大学へ編入。クラブ参加必須の規則に従って、冬休み中も活動していたKamifudaクラブに所属し個性的なメンバーと出会いデュエルしながら親交を深めていく。 語り口はウィットに富み、緻密で詩的な情景描写と魅力的なキャラクター達が物語を引き立てる。 惹き込まれる物語、挑戦と戦略性に満ちたカードゲーム。双方クオリティが高く大ボリューム。 他者に親切心をもって接すればその輪が広がっていくと信じ他生徒の世話を焼く、頼れる兄貴分[b][i]Trent[/i][/b] 飄々とし捉え処のない、事あるごとに周囲を振り回し煙に巻く不思議ちゃん(と呼ぶには奇行が目立つ)[b][i]Vix[/i][/b] 内気で引っ込み思案。しかし愛するエルドリッチ神話の話になると一転し情熱的になるメガネ文学少女[b][i]Evy[/i][/b] 他多数の個性豊かなキャラクターが登場。ロマンス要素あり。マルチエンディング。 [h1]KAMIFUDA[/h1] エルドリッチの魔力が宿るカード。20枚のデッキを組み、ルールに則りその魔力をぶつけ合う決闘様式。 対戦相手は格上の実力者達(戦術が確立されたデッキを使用し、ライフやカード性能も強化されている)であり、初見ではその圧倒的[strike]インチキ[/strike]力量差の前に成す術もなくボロ負けする。 相手のデッキ構成や戦法から弱点を探り、有効なデッキを構築しなければ手も足も出ない。 「強敵(とも)とのデュエルやデッキ構築の楽しさを目いっぱい味わえる」と感じるか、「延々と不公平な勝負に付き合わされる」と感じるかは好みによって分かれるところ。 [b]基本ルール[/b] 交互にターンを回しながらカードを配置していく。コスト(カード左上の数値)１以上のカードを使用すると相手にターンを渡す。両者使えるカードが無くなるとラウンド終了。盤面の最終処理を行い、新ラウンドへ移行。 [b]カード種別[/b] 前線で戦う剣と盾[b]Sorcery[/b]、発動に手間は掛かるが強力な[b]Ritual[/b]、補助や妨害の[b]Instant[/b] [b]Sorcery[/b]:戦闘カード。前列に配置。正面にSorceryが配置されると戦闘し互いの戦闘力(右下の数値)を消費。０になると破壊される。ラウンド終了時に前方のRitual、相手ライフの順に戦闘力分のダメージを与えた後破壊される。 [b]Ritual[/b]:儀式カード。後列に配置。配置中は対戦相手が受けたダメージに応じ右上の数値が減少。数値が０になるとラウンド開始時に効果が発動し破壊される。Sorceryからダメージを１以上受けると破壊される。 [b]Instant[/b]:即効性カード。使用と同時に発動。 登場人物達はストーリーを通し交流するなかで素性、人柄、心の内を垣間見せ、より一層魅力的で生き生きとした存在感を放つ。 彼らとのデュエル、彼らとの物語は場面場面へ入り込むかのようで、終えてしまうのが寂しく思える程にかけがえのない時間だった。