In Stars And Time のレビュー

タイムリープ物です。難度自体はかなり低く、最初からある程度強いためレベル上げ等も必要ありません。 ふんわりとした雰囲気、リープに苦悩する主人公、細かなグラフィック表現等が魅力です。 特に細かいグラフィック表現に強く力が入っており、リープを繰り返すたびに少しづつどこかが変化し、それを発見するという楽しさもあります。 一方この作品の肝とも言えるストーリーや探索の部分で個人的に無視出来ないレベルの残念な点もあり、一概におすすめは出来ない作品です。 海外の作品ですが、翻訳は恐ろしい程優秀で、日本の作品と言われても気付かない程高度な翻訳がされています。しかしながら日本人にはまだ理解が及ばない表現、配慮が私には最後まで受け入れられませんでした。そもそも性別”無し”が本当に存在する世界なので理解するという行為自体が間違っていたのかもしれません。 [b] 以下ネタバレ注意 [/b] 良い点は前述した通り、ほのぼのとした雰囲気とリープの度に壊れていく主人公、細かなグラフィック表現、 そして数多くの伏線です。 プレイヤーに気付かれないような伏線が数多く張り巡らされており、ああ、ここでこれがくるのか、と感心させられました。 残念な点は探索の不自由さと、それらの伏線やストーリーの全てぶん投げてしまった点です。 探索は基本一本道で、目当ての情報を探す、死んで戻るor進む、また目当ての情報を探す、の繰り返しです。 これ自体はあまり苦痛ではないのですが、中盤からストーリー案内が露骨に雑になり、ゴミみたいなヒントから”次行く場所は今まで行った所のどこか！ 頑張って探してね！ あ、物も全部調べないと駄目だよ！”みたいな事言われた時は一瞬何言われているか分かりませんでした。 しかもこのゲームは細部まで拘っており、机にある紙からただの椅子まで殆どの物を調べられ、一つ一つにしっかり文章が入っております。本来凄い筈の事がこの探索の不自由さのせいで逆に苦痛になってしまうのがとても残念でした。 最後に伏線とストーリーのぶん投げ具合です。え、ほんとになんで？　なんで投げてもうたん？ あまりに解決していない点が多過ぎて最後にタイトル画面に戻るまでまだ終わってないと思ってました。 ストーリーはループしながら、パズルのピースを埋めるように分からない所を埋めていくようなストーリーでした。 うん？ それならなんでコイツはこうしなかったんだろう？　それは分かったけどなんで主人公はこうなんだろう？　なにが原因でこうなってしまったんだろう？　そう考えながらぷちぷちとピースを埋めるように進めておりました。 まさか残り5ピースくらいかな？ という所で[spoiler] やっぱ全部どうでもいいわ！ はいハッピーエンド！ [/spoiler]となりただひたすら困惑しました。 確かに[spoiler] ループから脱出するのが目的であって、謎を解くのが目的ではない。よって謎解き中にループから出れてしまえば謎はどうでもいい。 [/spoiler]というのは主人公からすれば当たり前で、しかしながらそれをまさか実行されるとは思いもしませんでした。

ループに閉じ込められたシフランにどんどん没入していってからのラストはめちゃくちゃよかった あとオディールの頼れる年上感すき