Immortal Legacy: The Jade Cipher[VR] のレビュー

[h1]妙に国産ゲーテイスト漂う、ストーリー成分強めVR-FPS[/h1] 龍が棲むと言われる、不老不死を研究したかつての皇帝の伝説が残る、レーダーには映らない島。そんな属性てんこ盛りの場所に、なぜか母の死にまつわる謎を解き明かすため、という至極私的な理由で、軍用機をタクシー代わりにしてマッチョ軍人タイヤくんが乗り込む公私混同物語。 Steam上でのリリースは2021年3月だがどうやらPlayStation VR用で2019年4月に発売したものを2年遅れでPC VRに移植したようで、操作系の洗練されてなさだとか文字サイズの小ささ、陰影がしょぼくてのっぺりした画面がVR初期を思い出させる。 北京で開発されたゲームのようだが、家庭用でのリリースがあった関係か中国語/英語/日本語の三種類もボイスがあり、声優にも翻訳にもこれといった不満がないレベルでローカライズされている点は素晴らしい。 エンディング曲にいたっては、わざわざ中国語版を歌ったボーカルさんが片言で日本語版も歌ってくれるという凝り用。そこの情熱すげぇな。 その反面、コントローラが反応せず顔の向き入力しか受け付けないメインメニューだとか (PlayStation VRの制約なのか？)、アナログスティックを左右両手とも上に倒すことで走るだとか、UI周りが独特すぎて遊びづらい。 グリップボタンの存在を認知せず、トリガーで掴んでトリガーで撃つスタイルも好きではない。 またぼんやり見守るだけのカットシーンも多く、その際に暇潰しにリアルでウロウロすると自分の両腕だけが浮いている姿だの、首から上がない自分の姿だのを発見することになる。没入感とは一体。 画面真っ暗なまま「ぬおおぉぉぉっ（ガラガラガッシャン）　ハァハァ……」とボイスと効果音だけで瓦礫を押しのけて脱出しましたよみたいな空気をだして、移動可能になってから暗転が解ける方式もまったく嬉しくない。 主人公は冒頭で装備を全ロスして現地調達で戦っていくのだが、色んな銃器が手に入るくせに弾薬をやたらと出し渋る。したがって頻繁に銃を切り替える羽目になるのだが、手首に対する射線の傾き具合、グリップアングルが銃ごとに違うのも使いづらい。 https://www.youtube.com/watch?v=63XZbXmrS3c ストーリー的にはラピュタは本当にあったんだ位の段階で4時間で終わり。そっからそれを巡って波乱が起こらなきゃ駄目だろう。メスキャラ二人は何のために居たのかほとんど絡まないまま、母の死なんて完全に忘れて何ひとつ解明しないまま終わる。 広げたままの風呂敷の不法投棄は止めていただきたい。オススメできない。