Unravel のレビュー

ゲームが下手な私でも楽しめました。 美しい世界観とグラフィック、音楽、ストーリー、どれをとっても素晴らしいゲームでした。 おすすめです。

思い出と記憶をゲームと音楽で表現するとこうなるんだなという美しいゲームです。 見ての通り一本の紐をパズルの要素として活用するプラットフォーマーアクションでグラフィックが非常に綺麗なのが特徴です。全12ステージ制でそれぞれのステージに蒐集物や実績解除アタック目標があります。 紐を使いながら足場を作ったりグラップリングで空中機動しながら上下左右に移動したりするのは当然ですが、この紐に距離制限が掛けられているのが特徴で、限られた紐の長さの範囲内でパズルを解くための紐の編み方をするというのも一つの主題になっている点がユニークでした。 紐パズルの難易度としては、大体が手癖でどうにかできる範疇。つまり小学生くらいの子供に遊ばせても大丈夫なレベルだと思いますが、序盤の方のステージで結構詰まりやすいと思われる箇所がありますので、そこで両手を上げて投げ出さないかなと思うところはありました。後半が難しいのは理解できるのですが、このゲームのコンセプトで序盤に比較的難しめのお題を持ってくるのは少し首を傾げました。 アクションについてもあまり難しいところはなく、死にながら操作を覚えていくゲームではありませんが実績にあるノーデス全面クリアを目指すなら後半は結構練習しないと一発突破は難しいだろうなと思う程度には難しいゲームです。 チェックポイントがたくさんあるので普通の人が普通に遊ぶ遊び方をする内は問題ありません。初見殺しのような殺し間が随所に出てきますが、一度種が割れると回避は比較的容易なゲーム性です。ノーデス狙いとなると難しいけどプラットフォーマーとしてのスパイスはよく効いたバランスだと思います。 ゲームのテーマはとても誌的で味わい深く、ある程度大人向けの内容になっています。 人生のはじまり、家族の絆、幼い頃に見た原風景、友情、移ろいゆく世界とそして大事な人との別れをグラフィックと音で表現している、どちらかというと芸術寄りのゲームです。ヤーニーというかわいい毛糸のキャラクタービジュアルは一見子供向けに見えますが、対象年齢12歳とかに見せて理解しきれるテーマ性じゃねえだろと思いました。 個人的に難点だと思ったのは、ゲームそのものではなくEAアカウント必須のプレイ環境です。 Steam経由で購入してSteamから起動しようとしてもEAアカウントが求められ、Steamランチャーから起動する場合でもEAランチャーのインストール必須で常に両方が求められる仕様なのは一体どういうことかと疑いたくなります。EA関係ゲーム全部そうですけど、これ本当に嫌なんで何とかしてほしいです。 ビジュアルと音楽が非常にいいゲームなのは間違いありませんが、ボリュームに対して定価は少し強気すぎるなと思いました。実績全解除を目指すなら十分歯応えのある内容ですが、軽く遊んでクリア（5、6時間～10時間未満）で特に周回して蒐集アイテムを全部集める気はないという方にとっては割高かと思います。ただセールもあるんでビジュアルが気になったら手に取ってみてください。映像と音楽の部分が気に入れば最後まで楽しく遊べるゲームになっています。 爽快感のあるスピード移動アクションや純粋に難易度の高いパズルを求めている方は多分求めているものとは違うものだと感じるはずです。あくまで雰囲気を楽しむゲームです。