Fit For a King のレビュー

Marry everything. Execute everything. SPEND IT ALL. Live the ultimate fantasy in this Henry VIII simulator, and humiliate France with your wealth and excess, or die trying. Who's going to stop you? God? Nope. You're also the Pope.
アプリID1110380
アプリの種類GAME
開発者 ,
出版社 Kitfox Games
カテゴリー シングルプレイヤー, Steamの実績, スチームクラウド
ジャンル シミュレーション, RPG, アドベンチャー
発売日5 9月, 2019
プラットフォーム Windows
対応言語 English

Fit For a King
1 総評
1 ポジティブなレビュー
0 否定的レビュー
否定的 スコア

Fit For a King は合計 1 件のレビューを獲得しており、そのうち 1 件が好評、0 件が不評です。総合スコアは「否定的」です。

最新の Steam レビュー

このセクションでは、{name} の最新 10 件の Steam レビューを表示し、さまざまなプレイヤーの体験や感想を紹介します。各レビューの概要には、総プレイ時間、肯定的・否定的な反応の数が含まれており、コミュニティのフィードバックを明確に示しています。

プレイ時間: 363 分
[h1]古きすぎ、良きすぎる掌編の快作[/h1] 見た目から初期のUltimaシリーズ(特にAtari ST版)に多大な影響を受けたというか、そのパロディなのは明らかだろう。 ことに自由度の高さと「単語質問」形式、画面写真でネタバレしている[spoiler]ジプシー占い[/spoiler]システムの存在まで、1985年の『Ultima IV: Quest of the Avatar』が直接のネタ元と思われる。 約35年前のスタイルの本作が退屈かといえばさにあらず、「この時代のゲームからしか得られない栄養素」と、同時に現代的な親切さとセンスが詰まっている。 [h1]システム[/h1] ゲームはいかにもRPGが始まりそうな見た目に反して、戦闘やレベル制を排して主に移動と会話と探索で進行する、トップビューのアドベンチャーゲームになっている。 プレイヤーはイングランド王ヘンリー8世(らしき人)となり、フランス王フランソワ1世(らしき人)との会談に備え[b]贅沢品を買い漁り相手に差を付ける[/b]のがゲームの目的となる。[i]※この残念な目的自体が「徳を高める」ゲームであるUltima IVの対称ともなっているのだろう。[/i] 具体的には、各キャラから税を徴収し、フィールドに隠された宝箱を開け、集めたゴールドで適切な城の住人に贅沢品を発注することになる。宝箱は部屋に無造作に置かれることもあれば、会話で得た手がかりをもとに推理しマップ構造を理解し正しくアイテムを使わねば見つからないことも。 会談のタイミングはプレイヤーの気分次第だが、贅沢品の数によってエンディングが分岐し、もちろん真EDのためには全てをコンプする必要がある。 住人との会話は、文中の気になる単語を追加で入力(キーボード入力で)するとさらに会話が続く、いわゆる「単語質問」形式になっている。語彙はなかなか豊富で無意味な会話にも対応していて飽きさせない。 メーカーの紹介文では自由度の高さがうたわれているが、これ自体は当時のゲームがなにかとアルファベット全てにコマンドを割り振りがちだったことのパロディという面が強いのではないか。事実、無駄に住人を処刑すれば単にイベントフラグが消失してしまうし、(実績集めを無視すれば)最後まで使わないコマンドも多い。 しかし、「できる事が多い」ことで行動の選択に幅ができるのも確かで、正解を探す謎解きの楽しみにも一役買っている。 [h1]ゲームプレイ[/h1] 元ネタのUltima IVが広大な世界を舞台にしたのと逆に、本作の舞台は城1つと城下町、おまけ的に[spoiler]地下ダンジョンやコンスタンティノープルらしき外国の町[/spoiler]とかなりコンパクト。もっともその分情報量は凝縮されていて、エンディングまでの数時間はダレる事無くしっかり楽しめるだろう。 残念ながら会話中心のゲームにもかかわらず日本語訳は今のところ無く、しかも中世風の古めかしい語彙が頻出する上にOCR向きではないフォントなので、多くの人には辞書アプリを引きながらのプレーにはなってしまうと思われる。 幸いなのは1文が短く読みやすい文体で書かれていることで、高校英語ほどの知識があれば文法で詰まることはないだろう。内容もちょっとしたユーモアがあって楽しませる。 シナリオは意図的に昔ながらの記号的に書かれている。例えばある場面では女性とのロマンスがあるが、[spoiler]リュートで恋の歌を弾く[/spoiler]だけで恋に落ちるという具合だ。 しかしだからこそ描けるものというのはあって、リアルに考えれば「そんなはずがない」意外な急展開やバカバカしい出来事が、いかにも自然にプレイヤーを楽しませてくれる。 イベントに順序といったものは無く、手がかりは散漫かつ大量に与えられるため(オープンワールド的ではある)、昔ながらに都度メモを取り時にはマップを描いてのプレーは必須となる。 これは不親切とも言えるだろうが、曖昧な手がかりを検討して「こういうことか?」と試しながら進み、時には想像を超える仕掛けにも出会う、かつてゲームが「物語」の辻褄に縛られる以前の快感──かろうじてポイント&クリックゲーにその残滓が残る──が存分に楽しめるとも言えるだろう。 謎解きはさほど難しくもなく、丁寧にメモさえしていれば詰まる所はないはず。チュートリアルやヒントの扱いは非常に親切で、そこは見た目に反してとても現代的だ。 唯一、「[spoiler]クマ[/spoiler]」は何なのか?という点は誰もが疑問に思うはずだが、最後まで遊べばそこで悩むことにも意味があると分かるだろう。 死亡にペナルティは無く、処刑など一部の不可逆な行動を除けばハマリも無いはず。セーブは無制限にできるので気ままに遊ぶことができる(ただしセーブスロットは1プレイヤーキャラにつき1つ、ロードのたび初期位置にリスポーンする)。 [h1]サウンド[/h1] サンプルムービーでも聴けるように、Josie Brechner (Visager) によるBGMもやはり当時の優れたパスティーシュとなっている。 メインテーマである「Pastime with Good Company」(「良き仲間との気晴らし」)は歴史上のヘンリー8世作曲だが、まるでUltimaシリーズからの引用かと思わされる8bitアレンジに仕上がっている。 残念なことにゲーム中は特定のイベント以外ではBGMが鳴らないのだが、それはあの時代のBGMがしばしば繰り返し聴き続けるには押しつけがましく、耳に残りすぎた事への配慮だろうか。 [url=https://visager.bandcamp.com/album/fit-for-a-king-original-soundtrack]Bandcamp[/url]で購入できるサウンドトラックでは、加えてDOS機風アレンジバージョンも入っていておすすめだ。 [h1]最後に[/h1] 詳しいネタバレは避けるが、エンディングはこのコンパクトなゲームにしては豪華で、抑制されたユーモアがあって必見。ぜひその目で確認してほしい。 特に真EDと[spoiler]そこから始まるおまけシナリオ[/spoiler]はそこまでを楽しんだプレイヤーほど大いに楽しめるだろう。 おすすめするにも日本語訳が無いというハードルがあるのが惜しいが、個人的にはたどたどしく辞書を引きながらのプレーは手探りのゲーム性と妙にマッチしていて、なまじ訳があるよりも楽しめたように思える。 単なるノスタルジーではなく、多くの人に楽しんでほしい快作。
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