Feathery Ears 羽耳 のレビュー

インゲームにVer.表示がないため、初回クリアのVer.は不明。所要時間は112分。ファイルサイズは578MB。 [h1]Pros:[/h1][list] [*]可愛らしいキャラクター [*]軽快なプレイヤー挙動 [*]程よい掴み補正[/list] [h1]Cons:[/h1][list] [*]ダッシュジャンプ前提のかつかつの配置 [*]時折掴みで地形内に入ってしまう [*]最初の目的が分かりづらい [/list] [h1]シンプルなルールでコンパクトに終わる3Dプラットフォーマー[/h1] 　ダッシュやジャンプを駆使しながら星を集めて、ステージのゴール地点へと向かう3Dプラットフォーマー。ステージとステージの間にはアニメーションデモがあります。またデモ中に言葉は一切表示されず、身振り手振りで物語が展開されます。ステージ内のアクションパートにゲームオーバーは存在せず、画面外へ落下した場合も最寄りの地形上で復帰します。 　デモには言葉が出てこないため、明確にこうだと物語を断定できる要素がありません。ユーザー(遊び手)はひたすらこうであろうという抽象的な解釈を繰り返すしかないので、受け取り方はユーザー次第のように思われます。冒頭でインクを受けた秋が美沙となったのかも定かではありません。他人と少し距離を置いて絵に没頭している様子から、北条秋は内面はどうあれ、ちょっと暗い性格のように見て取れます。秋の持つ願望などの感情がキャラクター化しているのかなと私は勝手に解釈していました。 　本作の遊びは星を集めてゴールを目指すというシンプルなものであり、アクション操作は移動とジャンプ、駆ける、剣を振るぐらいで完結しています。壁に接触したときにジャンプをすれば壁キックとなり、壁面のへりに触れるようにジャンプすれば掴みとなります。駆けながらジャンプすると長い距離ダイブできます。進行方向から逆方向に切り返してジャンプすれば少し高いジャンプができます。 　プレイヤー(主人公キャラ)の挙動はとても軽快で、入力に対して機敏に反応してくれます。Xbox360コントローラーを使用していましたが、進行方向の急な変更なども思い通りに動かせ、移動速度と加速度の調整に優れている印象です。またプレイヤー挙動が軽快ゆえに少しフリーカメラがもたつく印象はありますが、それが基でプレイを阻害されたことはありませんでした。 　壁面のヘリに掴まろうとして適当にジャンプしても思い通りに掴まることができ、イメージしたジャンプで思った通りのところを掴んでくれるモーションステートの遷移も大変よくできていました。ただ円筒形のコリジョンを持った地形を2つ重ねて作ったような地形において、そのコリジョンの継ぎ目で掴みが発生するとプレイヤー挙動が優先されてそのまま地形内に入ってしまう不具合を何度か見かけることがありました。掴み補正が優れているので少し勿体ない印象です。また、星の配置によっては高い地形上からギリギリまで踏み込んでダイブしないと乗れない足場に配置されていることがあり、この辺りはアクションの適性に依存するところが大きいと思われます。 　ゲーム開始直後から周囲に集めるべき星が点在していますが、炎の剣を手に入れるまではその星を集めることができず、最初は何をしていいのか分かりにくい点は人を選ぶかもしれません。少し試してみれば気付くことではありますが、慎重派にとっては周りの毒の沼みたいな色の水に入ろうとするかどうかも迷うところかもしれません。 　最終ステージでゴールまで到達すると本当に短いデモとクレジットが入って、またオープニングデモに戻るので幕切れの呆気なさに少し驚きます。約2時間のプレイで終わってしまうのでボリュームはあまりなく、リプレイ性もそれ程高いとは言えません。ですが、尻尾が左右にたなびく可愛らしい女の子が異世界で走り回る様子を見るだけで嬉しい人や、連続で壁キックして高い地形に上るのが好きな人がちょっと短い時間でプラットフォームアクションを楽しみたいとなったときには、求めやすい価格ですし良い選択肢になると思います。