This Strange Realm Of Mine のレビュー

「世界を変えることはできないが自分は変えられる」 といった自己啓発的なメッセージを、自己嫌悪を題材としたポエムや心理学用語によって展開し、超現実的な夢世界の冒険によって読み進めていくという体裁の主観視点アドベンチャー。 ゲームはプレイヤーの行動の善悪によって毛細血管のように分岐する「パス」と表現されており繰り返しのプレイを誘導しているが、まさかストーリー・ステージ内容にほぼ一切の分岐が無いとは恐れ入った。 基本的な操作はFPSに準じるが正直なところミニゲームのような水準で、ハードなゲーム性を求めていると肩透かしもいい所の内容だろう。 感受性が強く英語に抵抗のない方ならば何か心の琴線に触れる物があるかもしれないが、部分部分でゴア表現がキツく、超現実世界の探索という一点で言えばSteamにはほかに似たような無料ゲーがいくつかあるのでこのゲームをフルプライスで検討するのは全く勧めないということにしておきたい。

レビューを一応"おすすめする"にしましたが、正直私にはこのゲームの事が何一つわかっていません。 なぜならば英語の文章を大量に読む内容に対して日本語未対応だからです。 本作は単なる敵を倒すFPS要素だけではなくADV的な要素も含むため、NPCとの会話や合間合間に挿入される詩(モノローグ？)などの膨大な量のテキストがあります。 会話の選択肢によって拠点にNPCを増やしたり、連れて行かないことも出来ます。 エゴ、神への信仰心のように全編人間の精神世界をテーマとして描いているので理解できれば考察含めて面白いんじゃないかなと思うのですが、中学レベルの英語力さえ失った私には無理でした。 たとえテキストを日本語化出来たとしても他に壁や地面などのメッセージもびっしりあるんですよね…。 このゲームをFPSとして評価するならば"おすすめできない"でしょうか。 まず武器のリロードのシステムに問題があります。 弾数単位ではなく、マガジン単位で管理されているので他のゲームのように数発撃って次の敵に備えるためにリロードをすると消費した分は補充されますが、それ以外の弾が消えてしまいます。 次に敵の行動が8割以上近寄ってきて殴るだけの変化も戦略性もない戦闘の単調さが挙げられます。 三つ目の理由として武器が毎エリアごとにボッシュートされるので最後までFPSの醍醐味である武器と弾薬の管理を楽しめない点があります。 ベースはFPSなのにその部分の出来がよろしくないならば残りはADVを楽しむしかないわけですが、そうすると先述の英語力の問題が出てくるわけです。 FPSとADV両要素合わせると判定に困りましたが、全体的にはゲームとしての完成度は高いと思うので"おすすめする"にしました。 各エリアごとにパズル要素があったり、STGや2Dアクションになったりして作りが凝ってます。 マルチエンディングでボリュームもなかなかですし。 ただ軽いホラー要素があるので苦手な人は買うときに注意。 余談ですがNPCに背面のグラフィックがないのでファミコン版ドラゴンクエスト1のように常にこちらを見ながら前に進む様はとてもシュールです。 英語力のある方は買っても損はないんじゃないでしょうか。 ない方は毎回辞書をめくって自分で翻訳する覚悟があるならばどうぞ。 何の気なしに買うと火傷すると思います。