Steel Seed Steam統計とチャート

ベッドで目覚めたゾーイは周囲の異変に気づく。そこは機械で構築された恐ろしく巨大な施設の中であり、身体は機械に広く覆われていた。金色に輝くロボットS4VIから「人類が住めなくなった地球から人類を救うプロトコルSUKUIが発動された」こと、「人間はAIによりバイオロジカルノードに保管され地球の修復を待っている」ことを知らされる。突然のことに混乱するゾーイはまず父でありこのプロジェクトの発案者であるアーチャー博士を蘇らせることにする。果たしてこの壮大な人類救出プロジェクトは一体どのような結末を迎えるのだろうか。。。 機械で構築された超巨大な施設の中を探索するステルスと近接戦闘主体の三人称Sci-Fiアクションゲーム。戦闘のデザインはステルス寄りで、スクリプトされた行動を繰り返す敵をマークし背後から一撃必殺の暗殺で数を減らしていく。また共に旅をする小型ドローン「コビィ」の能力を使った様々な銃弾やトラップを駆使した戦術性も見逃せない。さらに本作は近接戦闘でも十分に力を発揮することができ、パーフェクトダッヂや各種戦闘スキルを使って敵を捌けるなど戦闘の自由度は高い。 面白いのはスキルの取得システムで、開放には各スキルに割り当てられたミッションをそれぞれこなす必要があり、退屈になりがちな戦闘もミッション達成のためにプレイヤーに様々な戦術を試みるよう仕向けることで解消を狙っている。このシステム自体は珍しいものではないが、ミッションの難易度はさほど高くないので定期的に達成感が得られるのは良いスパイスとなっている。 そして本作を語るうえで忘れてならないのはその圧倒的なビジュアル。このゲームをプレイしてもっとも度肝を抜かれたのはこれで、ゲームの紹介ページで大きく欠落しているのがもったいないほど遠景まで美しく微細に描き込まれたグラフィックは思わずため息が漏れてしまうほど。正直この開発会社は聞いたこともなかったが、それがここまでやるのかと驚いた。 対して欠点を挙げるとするならば、それは個性が感じられないこと。本作ならではと言えるシステムが無く、新しい体験を得ることはなかった（このゲームに限った話ではないが）。さらに戦闘面では、失敗したら即死のQTE攻撃を使ってくる雑魚がいることも時間をかけて慎重に事を進めるステルスゲームではシビアが過ぎた。 クリアまで12時間ほど。オープンワールドではないが細かく置かれたファストトラベルポイントを利用してマップに隠されたアイテムを回収する探索も楽しく、AIに人間の魂を管理させる設定やストーリーは良質な日本語訳もあって面白い。一般的にはグラフィックの良さが必ずしもゲームの楽しさに繋がらないのは理解しつつも、それでも圧倒的なアピールを放つ本作は十分にお勧めできる。