DCS: AJS-37 Viggen DLC

DCS Worldに北欧のSAAB社が開発したSAAB 37 ViggenことAJS-37 Viggenを追加するアドオンである。 本家側で200時間程度プレイ。 本機はDCSで実装されている他機と比べても設計思想の特色が強く出ている機体である。 北欧生まれのAJS-37はデルタカナード翼と民間機用のエンジンを改造して後付けしたオーグメンターとスラストリバーサを装備している珍しい機体。 STOL性能は非常に高く、短距離での離陸が行える。 着陸についてもスラストリーバーサによる減速で制動距離を大きく短縮でき、誘導路のない短い滑走路や道路等を有効に活用するためスラストリバーサで"後退"ができる。 降着装置も頑丈に作られており多少のハードランディングでも問題なく接地できる。 離着陸時の特性はやや癖がありAoAを大きくとると失速しやすいため他の機体より気持ち浅めの角度を意識したい。 優れたエンジンとデルタカナード翼によって飛行特性は良好で、単発機の割には軽快な加速と上昇性能を持っておりその機体特性からドッグファイトでの旋回戦も得意である。 しかし搭載されているエンジンはコンプレッサストールを引き起こしやすく、特に低速度時の高迎え角での旋回によって発生しやすい。 ドックファイトでは旋回時に失速しやすく低高度・低速度では再始動の余裕もないためコンプレッサーストールを引き起こさないような機体制御が必要。 （警告音が鳴るのでそれを目安にするとよい。また警告音が鳴ってからも多少は追い込めるだけのポテンシャルは持っている） さらに機体の搭載燃料が少ないため、激しいマニューバを継続するとあっという間に燃料がすっからかんになる。 武装に関しては他と比べてかなり対地・対艦寄りの装備となっており、空対空についてはレーダーこそ対空目標には対応しているが装備可能なミサイルがIR誘導のRB-24/27(AIM-9P/L相当)のみでありAtoAの戦闘はドッグファイトに持ち込めれば勝機はあるもののBVRでは全く歯が立たない。 また、固定武装が一切なく機関砲やECM果てはチャフ・フレアも外付けポットによる懸吊となるため、防御手段含めかなりの制約がある。 RWRも他の機体を比べ独特な表示と警告で、6方向の光るインジケータと単調な電子音が鳴るだけであり判別にはかなりの慣れが必要となる。 特に、SAMにロックオンされているのか、ロックオンされミサイルが発射されて自機に向かって誘導されているのかを”判別できない”ため厄介である。 アビオニクスはコックピットの表記がすべてスウェーデン語であるため理解には時間を要し HUDについても米ソとは異なるシンボロジーのため戸惑うことも多いだろう。 レーダー表示についても他国とはやや異なるため慣れが必要だが対地レーダーは非常に優秀である。 単位もヤードポンドではないため米国機に慣れている場合は注意が必要。 DCS内においてはやや特色が強い機体となっているが、その独自性を活かした運用をできれば奥が深く面白い機体である。 列強米ソの機体に飽きてきた時のつまみ食いとしていかがだろうか。 個人的にはオーグメンターインジケータがチャームポイントです。