e-Racer のレビュー

[h1]アーケード寄りのレースゲーム。気が抜けないが爽快感溢れるコースと人間臭いAI。動作させるまでの手間を乗り切れるか[/h1] 2001年発売のレースゲーム。 当時はまだ珍しかったオンライン対戦を全面に押し出している。 現在はシングルプレイと、VPNを利用したオンライン対戦（こちらはできるか未検証）。 [h1]システム[/h1] ・シングルプレイモード。基本的なモードが揃う。賞金で順位を競うチャンピオンシップ・好きなコースでレースするアーケード、1周のタイムを極めるタイムアタック。 ・メインモードはチャンピオンシップ。進捗によってコースと車がアンロックされていく。 ・難易度。設定はあるがAIの強さが変わるわけではなく、次のレースへ進む条件の厳しさの設定。 ・ダメージ。接触によって蓄積され、一定値を超えると黒煙を吹き車が遅くなる。逆にそれまではダメージを負っていても遅くならない。 ・物理演算。車にのみ適用される。ジャンプで挙動が乱れたり、最悪車が横転する。 [h1]良いところ[/h1] ・変化に富むコース 　閑散としたショッピングモールから始まり、非常に広い航空母艦、海岸沿いの街を道路から砂浜まで一回りするテクニカルなコースなど変化に富む。 　それぞれのコースがいい意味で癖を持っている。次のコーナーに備えたラインどりが重視されるコースや、とにかく衝突を避ける正確な運転が要求されるコースなど。 　それぞれのコースの好きな部分や難しい部分が鮮明に記憶に残る。 ・人間っぽく、こちらと対等なAI 　目の前にライバルがいればそれがプレイヤーだろうとAIだろうとクラクションで煽り、ときに衝突で抜き去りを狙うというとてもレースゲームらしい性格のAI。 　一方でコーナーの内側を攻めすぎて自爆したり、スピードを出し過ぎてジャンプでひっくり返ったりといったミスを起こす。 　また当たりについてはこちらとAIが同等で、こちらが突っ込めば相手はクラッシュするし、逆も然り。 　シングルプレイながら世界の誰かと対戦しているような人間味あふれるAIとなっている。 ・自然かつ楽しい物理挙動 　後ろから衝突されれば当たり前にスピンするし、ジャンプで姿勢横向きになってしまうと場合によっては横転する。 　路面の凸凹や路面の滑りやすさに気を遣うゲームだが、そこまでシビアでない丁度良い塩梅の挙動。 [h1]賛否両論点[/h1] ・難易度 　とにかく難しい。しかも一番最初のコースが一番難しいので、一気にやる気を削がれる可能性あり。 　逆に最初を乗り切れたならこのゲームの80%はマスターしたといえるというレベルで、乗り切れば観光がてら爽快感のあるレースを楽しめる。 　勝てない場合はタイムアタックモードでの自身のゴーストとの競争がとても有効。 　そこまでしないと勝てないのは楽しくないと感じるか、または歯ごたえが楽しいと感じるか。 ・車の性能差 　後半の車ほど速そうな見た目だが、実際はそんなことはない。 　最高速の高い車ほど加速が遅く曲がりづらく、初期の車とのバランスを取る調整になっている。 　車の選択肢が減らない良い調整だと思うが、報酬がまずいともいえる。 [h1]悪いところ[/h1] ・グラフィック 　2001年のゲームなので流石に古い。特にテクスチャが粗いのが気になる。 ・アシスト無し 　挙動はそこまでリアルではないが、ブレーキに関してはABSが無いという設定。 　無闇に踏むと真っ直ぐ壁に衝突する。 　ブレーキに気を遣いながら走るのは楽しいが、アシストはあっても良かったのではと感じる。 ・システム周りが化石、不安定 　フルスクリーン以外設定不可でしかもフルHDが設定にない、Steamオーバーレイが起動しなかったり不安定、xinputコントローラーで操作するとステアリングがだんだん曲がるなどとにかく動作が不安定。 　元が古いゲームなので仕方ないが、いかなる理由でも遊ぶ以前でつまづく点はマイナス。 　コミュニティやフォーラムを参考にしながら快適な環境を整えるという古いゲームにつきものの儀式を行うこととなる。 　公式が現代のPCで快適に動作するようアップデートを行っているが、非常に遅いので自身で環境を構築してしまった方が早い。 ・コンテンツのアンロック 　どういうわけか2段階の難易度それぞれでチャンピオンシップを一周ずつ完了しないとすべてのコンテンツがアンロックされない。 　チャンピオンシップは一周だけで十分だし強制的に下位難易度で走る意味も分からない。 [h1]総評[/h1] 快適に遊べるようにするまでの調整に耐えられ、古いグラフィックを受け入れられるならばとてもオススメ。 操作感は現代のゲームに劣らない良い出来だし、走ってて楽しいコースばかり。AIの妙な人間味も面白さに大いに貢献している。さらに無料DLCで追加コースがある。 難易度についてはやはり難しいという声が多く、操作に慣れていない段階で難しめのコースを走らされるので、乗り切るのに結構な時間が必要である。 快適に動作させるための調整と難易度の高さが心を折りにくるが、最初のコースを乗り切るまでは頑張ってみてほしい。 動作のための調整については、非常に詳しいSteamガイドが存在するのでそちらを参照してほしい。 また同ガイドでアンロック面倒な人用にセーブデータも配布している。