SATAN のレビュー

[h1]謎の開発者、Gamefruit氏登場[/h1] 「バイトサイズド・ブーマーシューター」を標榜し、低価格・低ボリュームのコンパクトなFPSを世に送り出して一部インディーシューターオタクから一定の支持を得てきたDOSMan Gamesの(なんかいつの間にか消えてた第一作から数えて)6作目となる作品。 本作では同パブリッシャーのメインのゲーム制作者であるSam Marshallや『REVEREND』のEmil Johannson Levinではなく、Gamefruit games(Gamefruit Entertainmentとの表記もあり。統一しろよ)という同パブリッシャーに初参加の人物が開発している。 作風としては作者こそ違うものの過去作『REVEREND』と似た部分が多く、要するにかの名作FPS『BLOOD』を強くリスペクトした高難度レトロ風2DFPSとなっている。 本作、実はベースとなった作品『SATAN 3D』が存在しており、そちらはitch.ioで無料公開中。『SATAN 3D』はRGMという前時代的ゲームエンジンで開発されていたのに対し、そのリブート作である『SATAN』はRGMの発展形であるEasy FPS Editorというゲームエンジンが使用されている。 [h1]ゲーム概要[/h1] ゲーム内容は至ってオーソドックスなステージクリア型FPSで、アイテムを拾い、武器で敵を倒し、鍵を集めて探索範囲を広げていく方式。敵はカルト教団や悪魔と『BLOOD』のノリに忠実で、グラフィック部分は(それっぽさという点において)非常に完成度が高い。 また、DOSMan Games作品は基本的に2時間もあればクリアできる配信者に嬉しいボリュームが特徴であったのだが、本作のボリュームは3時間～4時間程度とまぁまぁ長め。見た目のクオリティ・ゲームとしてのボリューム双方において、DOSMan作品の中でもかなり優秀な部類の出来栄えを誇っている。 …が、その反面難易度調整に関してはなかなかハード。クイックセーブ・ロード(F5/F9)を駆使してちまちま進むことで誰でも突破できるようにはなっているものの、敵の攻撃は序盤から終盤に至るまで常時熾烈。 武器の使い勝手もそこまで良いわけではなく、あまり撃ちまくりの爽快感のようなものは感じられる内容ではない。 [h1]「これぐらいがいいよね」という気持ちになれる小粒の良作[/h1] 特筆すべき注目要素や誰でも触れる親切さといった部分では難はあるものの、何よりも[b]『安い・割と出来が良い・雰囲気がそれっぽい』[/b]の3点揃った優秀なブーマーシューター。 DOSManの過去作を追っている奇人だけでなく、『BLOOD』みたいなゲームが好きで暇つぶしにシンプルな内容のFPSが遊びたいというその辺のFPS好きもある程度満足させてくれるだろう。