Skel Dungeon Steam統計とチャート

祭壇を目指し続々と押し寄せてくる英雄たちの侵略を様々なトラップに満ちた部屋を建設し食い止めるキャラクター操作ありのタワーディフェンス。プレイヤーは祭壇を守るスケルトンとなり、ウェーブ制で押し寄せてくる敵を直接攻撃しながら、ウェーブ間には自動で敵を攻撃してくれる「トラップ部屋」を増設していく。一般的なタワーディフェンスのタワーにあたる「トラップ部屋」は、トゲに埋め尽くされた部屋や火の玉を投射する部屋など単一の性能を持った全26種類から選べ、それぞれ6段階まで強化が可能となっている。さらに同じ属性の部屋を配置することでシナジー効果を発揮したり、その状態でのみ効果を発揮する強力なアイテムが存在するなどその恩恵は莫大で、うまく強化が進んだ場合は敵を寄せ付けない要塞と化すことも可能となっている。 しかしそう簡単にいかないのが本作の特徴である「運」要素だ。同じ属性の部屋を並べることでシナジー効果を得られるのは先に書いたとおりだが、実は建設する部屋はプレイヤーが自由に選べるわけではない。建設できる部屋はその都度ランダムでピックアップされた3つの内から一つを選択しなければならなず、運が悪ければ効果的とは思えないような部屋を建設してウェーブを凌がなければならないこともある。さらに運に左右されるのはこれだけではなく、稀に敵がドロップする宝箱の中身やショップの品揃えもランダムにピックアップされた3つの内から一つを選ぶ形式となっている。これは最近のローグライクで流行りのシステムと同じで、欲しいものが出ない悩ましさと3つの内からプレイヤーが主体的に選択できる能動性を両立していて面白い。 このようにタワーディフェンスとしては運に左右される要素の多い本作だが、ではプレイヤーはただ幸運を待ち続けるだけかというとそうではない。目当ての部屋が選択できない場合は、今回は敢えて建設せず次のウェーブ後に再度引き直す選択もできるし、既に建築し強化が進んだ部屋を壊してでもシナジーを狙う戦略もテーブルに上がってくる。この立ち回りの悩ましさこそが本作の真髄で、運に嫌われてもプレイヤーの実力で勝利を引き寄せる感覚はローグライクなプレイ感がある。また、100近いスキルから成るスキルツリーやスケルトンの能力を多少だが上乗せできるスキンの開放、一時的に力を強化できる変身や50種類ほどあるアイテム、さらには部屋の並べ方で得られるボーナスなどなどプレイヤーの関与できる部分は多数あり、スケルトン本体の操作でも情勢を大きく変えられる。 一方で難点としては、ステージ数が7つしかないことや、各ステージで建設できる部屋の数がさほど多くなく戦略の広がりがあまりないこと、そして恐ろしく厄介でやる気を萎えさせる一部の敵の存在などがある。ある種のこのシンプリファイされた姿はインディースタジオゆえのものだろうが、結果として難しくなりすぎずゲームとしてのバランスとしては悪くないし、値段相応でもあり納得はできる。賛否ある運要素の強さも「強力な単一の戦術に偏りがち」なストラテジーゲームにおいて良いスパイスとして働いているように感じる。全ステージクリアは6時間ほど。一応、毎日更新されるデイリーミッションがあったり、スコアボードで世界のプレイヤーと腕を競えたりするので長く遊ぼうと思えば遊べる。