Gobs and Gods のレビュー

Battle Brothersライクと言えばわかる人には伝わるだろうか。 神となってゴブリンを率い、装備をアップグレードしたり欠員を補充しながらサンドボックス世界を探検していくSRPG。 # バランス・ゲーム性 本家Battle Brothersと比較すると、かなりリラックスした、チルい味付けになっている。 基本的に敗北で失うものがそんなにない。ゴブリンが死んでもそこまで損害は大きくない。装備はたとえ全滅してもロストしない上、自分の神としての能力を強化する要素があり、そのために必要なリソースがゴブリンの死によって大量に手に入るため、むしろ適度に死んでくれないと進捗が遅くなる。 また、神としての能力を高めれば初期雇用の時点でゴブリンのレベルが高くなるため、ユニットのロストによる損害も軽微。 加えて本家と違い、時間によるスケールが存在しないため、自分のペースで探索できる。 この点で、根本的なゲーム性が異なると言っていい。 なのでリロード厨になるよりは、Ironmanモードをやっているつもりで意味わからん強敵に喧嘩を売って全滅させられたりしながら進めるのが楽しい。 マップ上には雑魚モブや、ダンジョンなどのさまざまやPOIが設置されているため、稼ぎやレベリングもかなりやりやすい。敵の強さはリージョンに依存するため、本家でよくあった最序盤にRaider8人に追いかけられるみたいなこともあんまりない。 シナリオはブラックユーモア満載で、クエストのダイアログはかなり気が抜けていて面白い。全部英語な上に非ネイティブがつかわない語彙が多くて読むのはちょっと根性がいる。 # 戦闘 戦闘は完全にBattle Brothersに似ているが、戦術要素はあっさりめ。数値にツールチップの説明がついてこないので細かい条件が分からず、自軍のターンと相手のターンがはっきり分かれていて、一斉に指示を出せるため、考えることはかなり少ない。 また、RTSモードに切り替えることができる。自動操作になるため雑魚との戦闘が爆速で終わる。これはいいと思った。 # キャラクター育成 レベルアップの能力の選択肢はランダムだが、職によってある程度テーブルが決まっているようで、「育成事故」は少ないように思う。 良くも悪くも本家ほどの熱量でビルドを突き詰める必要はないため、まあ死にステじゃなければええかくらいの気持ち。 選択肢によってはリソースを消費するのである程度計画的に貯めておくことは必要。ただ、POIをクリアしたり少しずつ買い貯めていれば足りるのでそんなにシビアではない。 スキルシステムが面白い。 ゴブリンごとに4枠(最終的には5枠)のスキルの成長を選択できるのだが、研究ツリーのような要素があり、各スキルは村落でお金を払ってアンロックしない限り効果を発揮しない。 加えて効果もわからないので、この剣のツリーを最後まで解禁するとなんの効果が出るんだろう、みたいな楽しみもある。 また非力なゴブリンらしく、重装備を手に入れても職によっては装備重量の関係で持てなかったりして、そこのやりくりも頭を使って面白い。 一応キャラごとにTraitがあるのだが、ほとんどゴミで面白い。 「スキルを一つしか取れない」と「一度与えた装備はより上位の装備との交換でしか外せない」とか「おしゃれな服は着れない」とか… # 総評 良ゲー 値段以上は十分楽しめると思う。 日本語がないので少し気合いはいるが、テキストは読み飛ばしても困らないかも 本家Battle Brothersが好きなら絶対おすすめだし、本家のシステムは好きだけど難しすぎて投げちゃった人にむしろおすすめしたい。