Last Hope Bunker: Zombie Survival のレビュー

[h1]「日本語で翻訳したい文章を教えてください」[/h1] [h1]「ありがとう、おじさま」[/h1] 　…実際にNPCとの間で交わされた壮絶な会話である。 　Last Hope Bunker: Zombie Survivalとは、おおよそ2014年あたりにスマホリリースされた…エッ、これ2024年発のPC専用ゲームなの？マジで！？というゲームである。Unity 2022製。なぜかディレクトリ下にEOSBootstrapper.exeがインストールされるが、普通にプレイする限りではEPIC関連のあれこれを要求されることはない。 　システム要件はストレージに5GBの容量を提示しているが、実際のサイズは1.8GBで、つまりは豪華なAAA級グラフィックを謳う市販アセットの見本市と非圧縮音源を備えた、ゲームエンジンのチュートリアルを途中までこなした学生プロジェクトに50GBものサイズを要求される魔法のクソゲーよりは良心的ということである。いまどき珍しいフラットシェーディングに手描きペイント風テクスチャで構築される世界はそれなりに良く出来ており、個人的には好評価。 　ゲーム的にはキーコンフィグ不可、カメラの拡縮や回転も不可で視野がひどく狭いうえゾンビが無音で全力疾走してくるニンジャ仕様なので、ゲームとしてはまったく褒められたもんではない。どうしてショットガンの銃声がアレで良いと思ったんだ？基本的には没個性的なお遣いクエストを通して全5エリアを順番に攻略していくアーケードライクなもので、創意工夫の余地はあまりない。 　おそらく本作のウリらしい生存者のメモに関してはサブカルチャー絡みの軽薄なネタが大半を占め、これといって面白さも深味もないものである。 　日本語訳は機械訳レベルではあるものの、最低限読める程度の代物ではあり、まったく意味不明な宇宙語の寄せ集め…つまりは英語でプレイしたほうがマシと言えるほど酷いものではないので、そこは安心していい。[strike]たぶん…[/strike]クエストの誘導も親切なほうである。 　安価なモバイルシューター風味の何かを食したいという、極々限定的な欲求を抱いた瞬間に気の迷いで買う類のゲームです。あくまでシンプルなシングルプレイ用ゲームとして製作されており、ソーシャル要素や課金誘導はないのでそこは良心的です。