Out of the Park Baseball 25 のレビュー

これを超えるベースボールシミュレーションゲームはないと思います。球団の編成責任者または監督、あるいは両方になり、チームをワールドチャンピオンに導くことがOOTPの主な目的ですが、必ずしも毎年ワールドチャンピオンを目指すのではなく、長期的な目線に立って計画的に再建したり、若い力が芽吹いてきたと思ったら一気に移籍市場で勝負をかけたりなど、それぞれの球団の予算を考慮しながらかなりリアルな球団運営ができます。 ただ、改善してほしい点もいくつかあります。 一つ目は、CPUチームが契約延長を乱発することです。今のチーム状況を全く考慮しておらず合理性に欠ける判断と思えるような契約延長（例えば、明らかに再建モードかつスモールマーケット球団なのに、FAまで残り１年or２年くらいの主力と５年以上の大型契約を結ぶなど）がよく見られます。これによって、このゲームの醍醐味でもあるFA市場の質が落ちてしまうことがよくあります。 二つ目は、架空選手に左打者が少ないことです。国際アマチュアFAの選手や、数年プレイした後のドラフトに出てくる選手に左打者が少ないように感じます。現実の最新のプロスペクトランキングには右打者より左打者のほうが多いし、年々左打者は増えているように感じるので、架空選手の左打者の割合を増やしてほしいです。 三つ目は、ドラフトにかかる選手と国際アマチュアFAの選手のOverall（総合力）が低すぎることです。近年アマチュア野球のレベルは上がってると思いますし、ドラフトで指名されてからMLB昇格までの期間が短くなってきていると思います。もちろんMitch Keller(ミッチ・ケラー)やTarik Skubal(タリック・スクーバル)、JJ.Bleday(JJ.ブレデイ)などポテンシャルが全面開花するまで時間を要する選手もいますが、とはいえJackson Merrill(ジャクソン・メリル)やJackson Chourio(ジャクソン・チョーリオ)、Juan Soto(フアン・ソト)、Paul Skenes(ポール・スキーンズ)、Wyatt Langford(ワイアット・ラングフォード)など、ドラフトや国際アマチュアFAで入団した選手の早期昇格のケースは増えていると思うので、もともとOverallが高いアマチュア選手を増やしてほしいです。 四つ目は、マイナーリーグのシミュレーションの改善です。マイナーリーグのシミュレーションの質が低く、リーグ全体のスタッツが現実のそれとかけ離れてしまうことがよくあります。自分で設定することも可能ですが、現実に近いように設定するのはなかなか難易度が高いので、根本的にマイナーリーグのシミュレーションを改善してほしいです。 全体としては、かなりリアルですごいゲームだと思います。OOTP26もまもなく発売されるようなので、とても楽しみです。