Tactics Greed Steam統計とチャート

[h1] ポテンヒットで失点を重ねがち [/h1] キャラクタのデザインセンスもBGMに第九を採用したりするセンスもめっちゃいいし、プレイしてみると分かるけど本当に紹介ムービーのまんまで笑えてくる怪作だと思うｗ 本当に踊ってるし、ゲームとしての見た目などのデザインは秀逸。 でもそれでちゃんとゲームとして成立してるかどうかはまた別の話。 ゲームとしては成立してるとは思うんだけど、物足りなさが否めない。 [h3] タイトルに入れた「ポテンヒット」の意味 [/h3] 紹介文にある「RTSやったことない人も！やりつくした人も！」のことを言ってるんだけど、私はどっちかというとRTSというジャンルが苦手な人なので前者に該当する。 わちゃわちゃしてるうちは楽しいんだけど、難易度が上がり始めると段々手に負えなくなってくる。 「どうすればどうなる」がこんなに分かりやすいのにそれがシステムが持つ特性に戦況が左右されるのが難。 このあたりは後述。 では後者「やりつくした人」にはどうなのか。 これ物足りないんだろうなぁ・・・とは感じる。 私は前者なので知らんけど、「もっとハラハラさせろよ」って考えるんじゃないかと。 つまり、その中間層「ある程度RTSへの造詣もあるし、でもそんなにマニアックにRTSじゃないと駄目だ」ではない人にはブッ刺さるゲームなのではないかと思う。 そういう意味で紹介文の「RTSやったことない人も！やりつくした人も！」は、ポテンヒットを起こしてる。 RTS未経験、苦手な人には面白さを見出すに至らず、やりつくした人には物足りない、その中間層は「なにこれめっちゃいいゲームやん！？」ってなるんじゃないかなぁ。 [h3] ゲームの雰囲気 [/h3] 既に記載したとおりだけど、キャラ可愛いし壮大にオーケストラをBGMに持ってくるセンスはめっちゃ好きだし、「ＵＩレイアウトはこうしましたがいかが？」的に非常に分かりやすいＵＩになってるのは好印象。 欲を言えばそのＵＩのグラフィカルなデザインをもうちょっと凝って欲しかったのはあるけど、直接的にゲームシステムには関係ないしこれはこれでいいのかな。 雰囲気で言えばむちゃくちゃ好き。 ツボってる。 なんだこの可愛いわちゃわちゃしたやつ大好物ｗ [h3] でも気分は幼稚園か小学校低学年の引率の先生(´･ω･) [/h3] このゲームで最もネックだなぁと感じたのは、ウェーブ掃討完了後から次ウェーブの敵出現位置。 「いやそこのお前何ひとりで俺TUEEEEしてやがんだよ、戻れ戻れｗ」みたいなことがままある。 ウェーブ勝利まで孤軍奮闘で頑張ってくれた、ある意味「生きてれば英雄」みたいな子が孤立したまま次ウェーブ始まっていきなり四面楚歌「ちょ、英雄ゥー！？」的な戦死をすることがなんだか納得できないｗ ありがちなのは味方大ユニットを出現させた時、いきなりスポーン位置が「まずいでしょそれｗｗｗ」って苦笑いせざるを得ないところに出てきたりしてタコ殴りにされてあえなく散る状況。 大ユニットは足が遅いし護衛をちゃんとつけて御庭番しないと集中砲火食らって、せっかく大戦果が期待できる戦力なのにただの段ボール箱に水ぶっかけられたり火で炙られたりしてるような惨状を経験してしまう。 ありゃあやりきれないっすよまじで_(:3｣∠)_ HARDでウェーブ消化が間に合わず次ウェーブが始まってしまったりすると、もはや自軍は潰走の一途。 「前線はどこだ！？」 「バカヤロウ、ここが最前線だ！！」 って罵声と阿鼻叫喚が飛び交ってそう(つД；) それでも楽しいから雰囲気ゲーとして楽しむだけなら攻略を考えなくても十分なんだけども。 でも私ら引率の先生をやるためにゲームしてるわけじゃないんだよねｗ 味方を守らなきゃいけないし、敵も可及的速やかに排除しないといけないのにウェーブ間の繋がりに余裕がなくなってくるとインターバルタイムがちゃんとあるにも関わらず、布陣の整備がとてもできず開始と同時に負けフラグが立つことがしばしば。 この状況をよく吟味すると[b] 引率の先生 [/b]という表現になってしまう(´･ω･) まだよくゲームを理解できてないのかもしれないけど、中軍・右翼・左翼が分けられるのなら百人長とか千人長とかじゃないけど、自律的に部隊を統率してくれるサブリーダー的な存在が居てくれないと自軍の崩壊待ったなしなのね。 その部隊の左／中／右を理解するのって、大体戦闘結果画面で戦ってる最中はそんなこと構っていられなくなってる。 故にRTSにしては戦術論が展開できにくいのではないかなぁ。 後半の敵のスポーン位置は大体半包囲からほぼ全包囲くらいの状況になってくるし、大乱戦になるわちゃわちゃっぷりは雰囲気的には好きだけど、「先生、アーチャー君がおもらししましたー」「うわーん」とかもう子供の泣き声がそこらじゅうで聴こえる中「先生今それどころじゃねぇんだよ＞＜。」って悩ましいかんじは正に[b] 引率の先生 [/b]という表現が適切。 [h3] 戦略論と戦術論 [/h3] 多分、私ががっつりRTS的なものにハマったのって、唯一『伝説のオウガバトル』なんじゃないかと思うけど、その唯一の指標で考えると戦略と戦術の明確化って必要じゃないかなぁ。 あ、AoEとかは難しくて無理でした_(:3｣∠)_（経験はある。 開戦までに設えるのが戦略、開戦してからどう打ち勝つかを考えるのが戦術、と端的に考えると、このゲームにはそこまでがっつりとした戦略論は展開できないと思うので、戦術に重きを置くことになるけど肝心のそれがいきなり大乱戦だと「お題目はいいんだよ！とにかく目前の敵を打ち倒せ！」になってしまうので、戦術そっちのけになりがち。 確かにその意味ではRTS初心者には「わちゃわちゃして楽しい」になるのかも知れないけど、果たしてそれをRTS沼に引きずり込めるかっていうと疑問が残る。 逆にRTS猛者からすると「戦術立てにくいからいいわ」ってそっぽを向かれかねない。 入門／雰囲気RTSとして見れば、優秀な部類ではあるけど、がっつりハートをつかむほどのパンチが無いのが残念。 世間には今ローグライク／ローグライトとかいうよく分かんないジャンルが溢れかえっているけど、それをこのゲームに当てはめるのはいささか食い合わせが悪いのではないかなぁ。 戦略を俯瞰したい、それを考えると事前準備としてこうあるべし、不足分はここで補う、ヨシ！ 戦術を案出したい、左翼の弾幕が薄い何やってんの的に状況を鑑みて布陣を布きなおす、ヨシ！ そういうことができたら、大化けして楽しいと思う。 全体マップで味方布陣が把握できたりするだけでもそういうのは補えますな。 向こうのほうで勝手に戦死してる子も助かりますな。 押し引きがある戦闘だったら燃えますな。 素人目に見て誠に僭越ながら、消化不良気味なシステムデザインをそういう風に考えた。 おすすめはする、楽しいのは楽しい。 でも刺さるかどうかでいうと微妙なライン。 このレビュで書いたような懸念を乗り越えてでもプレイしたいという人には購入する価値がある。