Train Simulator: Marias Pass: Shelby - Whitefish Route Add-On DLC

アメリカ北部モンタナ州の風光明媚な峠越え路線であり、2001年に出たMicrosoft Train Simulatorでも収録された思い出深い路線です。2013年に発売後、2015年に入ってBNSF鉄道のライセンス変更で米国以外からの購入が不可能になりましたが、2021年12月にようやく本作の全世界復活を果たしました。TS2014を初購入してまもなく最初のDLC購入品の1つとして入手したものの、ライセンス制限の影響で長らく紹介できずにいましたが、この路線が全世界で復活したのは嬉しい出来事でした。 路線延長はMSTS時代と同じく本線がシェルビー～ホワイトフィッシュ間245km、カリスペルまでの支線もあります。Donner Passの225kmよりも長く、それでいて風景の変化に富みます。シェルビーからグレーシャーパークまでは雄大な平原を進み、ロッキー山脈のマリアス峠を越えると下り坂でエセックスへ、その先は川沿いにコロンビアフォールズ、ホワイトフィッシュの操車場へと向かいます。2019年にBNSFロゴ省略版含めて発売された「Montana Hi-Line」とワークショップ路線で合体させれば、シェルビーから東の平原ルートとも繋がります。 シナリオはシェルビーから2段積みコンテナ列車で西へ向かうもの、エセックスから冷蔵列車で頂上へ登る、カリスペル支線でのローカル入換などシチュエーションも揃っていて、体感的に飽きが来ず好印象でした。とはいえ、再現された引き込み線へもう少し入れたり、機関車の種類がデフォルトでもう少し多ければさらに良かったのですが。Donner Passと違って時間指定の破綻がなく、当たり前ながら本当に幸いしました。正直なところ、TS2014に付属する米国路線はDonner PassではなくこのMarias Passにすべきだったのではと長らく思っていました。 車両のバリエーションは多くなく、機関車は現代型本線機のES44DC、そして入換機のSW1500の2種類のみです。SW1500と貨車各種はバーリントン・ノーザン鉄道時代の緑色もありますが、本線用の旧世代機であるSD40-2やGP38-2は別売なのが物足りないところです。SD40-2は購入当時存在したツインパックのバンドルで入手しましたが、おま国期間中にGP38-2やF45とともに「BNSF Locomotive Pack」として統合されたようで、こちらも同時に復活してほしかった、と感じました。ES44DCは4つあるワイパーのうち1つがアニメーションしなかったり、貨車のサウンドは静かすぎて臨場感がなかったりとイマイチな点もあるものの、2014年以降のアドオン機関車にあるブレーキスクリプトもないので、余計な不具合にぶち当たらないのも幸いです。 幸いにも旅客列車はアムトラックのP42DCアドオンが販売を継続しており、復活直後からでも「Amtrak P42 DC 'Empire Builder'」を購入することで大陸横断列車「エンパイア・ビルダー」号を楽しめる選択肢が増えます。 定価1980円と値下げされていて、路線も長大かつ風景の変化に富み、車両や路線も多くのワークショップシナリオで利用されているので、おすすめできる価値があります。MSTSでの再現範囲が多く継承されていて、思い出とともに更に楽しめるでしょう。ワシントン州のStevens Passなど、今まで6年もの間に入手叶わなかったBNSFアドオンの全世界復活に期待しています。