Dice Tribes: Ambitions のレビュー

同作者のCrop rotationとまとめ買いしてみた。 こちらも同じく作りが甘いゲームで、ありかなしだと、Crop rotationは見どころあるけどこれはなし。 ゲーム内容はダイスを使ったワーカープレイスメントのソロゲーで、 作者がアナログゲームとかもそこそこやってるのはわかるんだけど、 体験というか焦点にこのゲームならではのものがないかな。 基本的な部分はアグリコラ形式で、 ワーカーの数だけ食料が増えて、食料を賄いながらなんとかするゲーム。 デジタルゲームならではの部分に就職システムがあって、 例えば農家になれば畑にダイス置いたとき効果二倍になるとか（その代わり4までしかでないとか） 病気の対応は5のダイスを用意する必要があるけど医者は5が出やすいとか そういうダイス目自体が変わる部分なんだけど、 これが良しあしなんだよな。 就職したダイスがやること決まっちゃうのと、10個くらい振るために、 なんつーか作業っぽくなっちゃうし、サイクルが短い目標しかないから本当に判断とかそういうんじゃなくて、 出目をあてはめていってるってだけになっちゃう。 のんびりしたソロゲー求めてるならいいかもしれないけど、 ちょっと足りないなと思う。 いや、作者の次の作品も多分買うと思うくらいには期待できるんだけど…。 一人Sokpopみたいになってほしくはある。

　サイコロで表現された住人たちを使って探検や施設の拡充を行い、飢えや病気・災害と闘いながら勝利条件の達成を目指すターン制のリソース管理シミュレーションゲーム。パッと見は非常に地味ではあるが、機能美的なデザインに秀逸なシステム、多すぎずバランスの取れた選択肢によるリプレイ性が詰まった隠れた名作。 　日本語未対応ではあるものの、余計なフレーバーのない簡潔な文章のおかげで読みやすく、カーソルをかざすと至る所に出てくる説明文や右上の？マーク内(Compendium)が充実しているので解らない部分があっても翻訳しながら色々試せば大体どうにかなるレベル。 　サイコロといえばランダム性だが、施設で出目を弄ったり、246の目しか出ないサイコロに転職させるなどのランダム性を制御する手段があり、その時の状況や先を見据えて如何に制御するか、あるいは如何にサイコロに応じて行動を決めるかがこのゲームの肝となっている。 　食料を得る施設や進行を助けるための施設、探検する場所や勝利条件はどれも特徴的で、例えば1の目しか受け付けない施設やサイコロを何個も入れてカウントを0にしないと効果が出ない施設など、状況に応じた取捨選択の重要性をより補強している。 　ゲームモードは出てくる要素が固定のシナリオモード、3択を繰り返して出る要素を決めるドラフトモード、すぐに始められるランダムモード、自由に設定できるカスタムモードの4つ(+チュートリアル)があり、特にドラフトとランダムは繰り返し遊ぶのに最適な要素が備わっている。正直、低難易度ではほぼ死ぬ可能性がなくなって冗長な作業になってしまうことが時々あるが、ドラフトとランダムでは0~15まで段階的に難易度設定ができ、高難易度ではこのゲームの醍醐味をより濃密に満喫できる(ただし実際にプレイした感想としては10がゲームとして妥当な設定の最高難易度で、15はほぼ実績向けの難易度の様子。表記的にもたぶんそういう調整)。 　見た目はプレイしている分にはプレイの邪魔をせず綺麗に整っていて良くできているのだが、いかんせんほぼ茶色で動きも殆ど無く、ついでにBGMも一曲と今様の外観からはかけ離れているので中々取っ付きづらいかもしれない。しかし、steamの中で埋まっているのが本当に惜しい作品なので、とりあえずデモ版だけでもライブラリに埋めてみてほしい。