Titan Station のレビュー

[h1]『Titan Station』――レトロSF世界観のシングルプレイ用一人称ミステリーゲーム[/h1] 　遠い未来、1999年。システムオペレーターのデイビッドは、私生活の面倒ごとから逃れるため宇宙ステーションでの職を得る。到着後、彼が衝撃的な発見をするにつれ、彼のありふれた仕事は命をかけた闘争へと姿を変えていく……。 （Steamストアページより） [h1]レトロSF世界観[/h1] 　ギーギーと処理音を立てるコンピュータ端末、カセット式のカードキー、昔懐かしのフロッピーディスク……　レトロSFがお好きな方なら、この宇宙時代にセットされたレトロフューチャー世界にすんなり入り込んでいけるだろう。 [h1]無線機越しに会話しながら指示をこなす[/h1] 　基地に到着してすぐに端末から渡されるキーカードと無線機を手に、以降はカードで区画間のドアを開けては抜けを繰り返しつつ、無線機の指示に従って仕事をすることになる。無線機での会話では、選択肢から返答の内容を選ぶことが可能だ。 [h1]物静かな宇宙空間[/h1] 　基本的にはほとんど音楽のないまま進行し、BGMは場面に応じてアンビエント系が流れる程度。空調・ファンの作動音や自分の足音、そして時折通路の窓から見える宇宙空間の景色とが相まって、隔絶された宇宙ステーションという場所の雰囲気がひしひしと伝わってくる。 [h1]衝撃的なストーリー[/h1] 　ゲーム自体は戦闘もなく指示に従って動くだけの単純なものだが、所々に配置されているタブレットやメッセージを読むことでプレイヤーが細かな世界観やストーリーの謎に近づくように設計されており、途中で飽きてしまうことはない。ネタバレを避けるためどうしても詳説はできないが、筆者もプレイ中に何度か驚かされる展開があった。 　総じてとても出来の良い作品といえるが、残念ながら本稿の執筆時点では日本語には対応していない。テキストを読んでストーリーの理解度を深めていくゲームだけあって、日本語話者にとっては致命的な欠点である。ただ英語字幕もあり、音声を聞いていないとゲームオーバーということもないので、興味がある方はぜひプレイしてみてほしい。