山：临界幸存者 のレビュー

我劝你少🔪点我会眼红的

ミステリーっぽい見た目のエンタメ作品でした。 エンタメとしては面白かったですし、ヒロイン可愛かったので満足できました。

　ラヴクラフトから概念を借りるのはよくあることですが、[spoiler]宇宙からの光[/spoiler]・[spoiler]イスの大いなる種族[/spoiler]・[spoiler]名状しがたいもの[/spoiler]と３つも借りてきた欲張りセットです。クトゥルフ神話で補強された[spoiler]神仙世界・長江文明遺跡[/spoiler]というのも、（少々美味し過ぎる蘇弘偉兄貴を始め）攻略可能ヒロイン以外の脇を固めるキャラクターたちも、十分に魅力的です。 　さて、（今は存在しないようですが、かつて存在した）デモ版の部分で「話の作りがおかしい」という感想が聞かれました。ええ、『[spoiler]妹[/spoiler]』という呪文を唱える度に世界の理がねじ曲がっています。おかしいです。 　「一家皆殺し凶悪犯の確保中です！下がって下さい！」「お願いします！『[spoiler]妹[/spoiler]』がいるんです！」「分かりました、同行を許可します」( ﾟдﾟ)ﾊｧ??ﾎﾟｶ~ﾝ 　[spoiler]イスの大いなる種族[/spoiler]に、When?Why?How?を問うても所詮無意味なのですが、「それは物語叙述として卑怯な手段ではないか？」という意見は付いて回ります。上記の例で言えば、公安を出し抜く鮮やかなトリックを描いてなんぼですからね……

辺境の村で起きる惨劇を描いたビジュアルノベル。古代の儀式やよそ者に冷たい人々、閉鎖的な村という舞台設定はやはり面白い。個性的な４人のヒロインはしっかり異なる物語に分岐して、そのどれもが非常に良いです。個別に取り上げても短編として十分成立する面白さ。さらに各ルートで村に潜む謎が異なる角度から明かされるので、周回することで神の視点から共通する謎に迫っていけます。 歴史学専攻の主人公による民俗の解説も興味深い。民話や伝承、芸能など歴史的な事柄が自然な形で作品に取り込まれ解説されています。中には古典文学の引用も。暗く渋い色で統一された木版画のような風合いのデザイン、声優さんのお芝居もお見事です。男性キャラの渋い声は存在感抜群。 本格謎解きではないタイプのゲームですが、今風な所もあってだれることなく一気に遊んでしまう良作でした。