Witchaven II: Blood Vengeance のレビュー

Buildエンジン初期の微妙作『Witchaven』が性懲りもなく帰ってきた！開発は前作同様、あのCapstoneが行っている。 剣戟や呪文、ポーション、経験値といった基本的なシステムは前作と同様。前作をプレイ済みであればすんなりプレイできる...と思いきやそういうわけではない。 本作には新たに魔法の泉による武器強化システムが搭載されており、泉に浸ることで一時的に所有する武器の性能がアップ。モーニングスターから炎の弾が飛ばせるようになったり、聖剣で敵を凍らせて叩き切ったりといった技が使えるようになった。しかしそれの調整を図ったのかザコの遠距離攻撃率が大幅に増加し、人型敵の多くが魔法やパイクアックス投擲といった遠距離攻撃を行うように。総じて前作よりも遠距離から一方的に殴られるケースが増え、まともに近接戦闘を挑める機会が減ってしまっている。 また、前作よりマップ数が減少(15ステージ)したにも関わらずレベルデザインは劣悪。マップを常時表示しなければ進めない真っ暗闇ばかりが続き、終盤では恒例のドアが開かない進行不能バグ、加えて視界を妨げるテクスチャエラー、誤配置されたであろう動かない敵、天井を突き抜けて上階へとめり込む地形オブジェクトなどゲーム性は崩壊寸前のレベルにまで達している。 前作同様、ある程度武器や物資が揃えばポーションがぶ飲みと呪文の有効活用である程度は遊べる作品。しかし空振りで武器が壊れたりといった前作の問題点は改善されていない上、上述の通りレベルデザインの完成度は前作より遥かに下となっているため、万人にお勧めできる作品ではない。 しかし一応ギトギトのプリレンダグラフィックなど作風にこの時期独特の味はあるため、そういうのが好きなごく一部のプレイヤーにとってはイカした作品に見えるだろう。 攻略のヒント： トラップで飛んでくる矢は火炎耐性のポーションで防護できる。 前作では恐らくただのバグ仕様だったのだろうが、本作では一部マップで攻略に必須。なんで？？？