Sweep のレビュー

UE4.23製のトップダウン・シューター。容量約1GBというコンパクトさ、PS／SS時代のプリレンダ・ムービー級クオリティをリアルタイムで動かせることに感涙しながら、ファミコン級の投げっぱなし難易度に泣かされる。曲数は少ないが音楽が良い。 舞台は90年代ロシア。旧ソ連とともに市民生活が崩壊し、組織犯罪が台頭した暗黒の時代。Hotline Miamiが映画「Drive」に強く影響を受けた作品とすれば、本作はロシア本国で大ヒットした映画「Брат（邦題：ロシアン・ブラザー）」を強くリスペクトした作品といえるだろう。…と言えるほど似てるわけではないし、ストーリーに内容があるわけでもないのだが。 ボリュームは全5ステージ。キーコンフィグは存在せず、なぜかRTXに対応している。ゲーム内容は…これを真面目に説明しなきゃいけないの？マジで？えぇと…なんというか、本当にファミコンゲームみたいなんだよ。それも、当時の水準ですらあまり良い出来とは言えなかった類の。是非プレイして理解してくれ。100円をルビャンカ広場に投げ捨てて、失われたジェルジンスキー像に望郷の念を抱きながら、俺と同じ苦しみを共有してくれ。「ああ、ファミコン時代のゲームってこんな感じだったよな…」と、奇妙な懐かしさを味わってくれ。 それと、初見殺し要素がそこそこ多い。ダイアログの表示中に敵が追加スポーンして普通に殺されるゲームは、さすがに初めて見たけどな。（対策：ダイアログをさっさと飛ばして反撃する）マイアミクローンの例に漏れず、Rキーを押せば一瞬でリスタートできる。…いつでも。生きてようが死んでいようが、歩いてる最中だろうが、いつでもだ。そういう「雑」なゲームだこれは。まあその、値段以上のシロモノではない。あとデフォルト言語がロシア語で、ゲーム内のオプションメニューから適当にアタリをつけて英語に切り替える必要がある。その程度はPCゲーマーのたしなみだろうが、うん？ なんで俺はこんなゲームをプレイしていて、明らかに時間の無駄だとしか思えないのに、わりと嫌いじゃないのは何故なんだ？まあ、なんだ…技術的なことなぞ何一つ知らずに「アンリアルを使えば神ゲーになる」とか能天気にほざいてるボンクラどもにこいつを投げつけて、イヤがられればいいと思うぜ！ あるいは、実況向けではあるかもしれないな。緩慢な歩行モーションとともにDOOM GUYばりの高速移動をするロシア人、スタープラチナみたいなパンチのラッシュ、手放すと画面外まで吹っ飛んでいく武器を見て笑ってくれる視聴者はきっといるはずだ。 いちおうクリアはしたけど…実績に「一度も死なずにクリアする」ってのがあるけど、さすがにそこまではやりたくねぇな… 最後までバグや強制終了なしに進めたこと、コンポーザーのFly5oloに免じてサムズアップ。