Soulestination のレビュー

ちょっど難しいけど、面白い

WWA系のRPG。 敵を倒すと一時的にステータスが強化されるSoulシステムが特徴的である。 Soulが上限まで溜まるとRage状態になり、ステータスが大きく上昇するが、その状態で敵に近づいた場合は戦闘しなければならず、戦闘後はSoulを消耗しステータスの上昇が失われる。そのため、Rage状態をいかに強敵にぶつけるか、Rage後の弱い状態をどう耐えるか、など奥深い戦略が求められる。 頭を抱えるほど難しいパズルが好きな人はぜひ。

最低難易度で一通りプレイした感想。 ・システム、ストーリー 　戦闘は、敵に接触すると戦闘となり、それぞれ「一方のAtk-もう一方のDef」分のダメージを交互に与えて、どちらかのLifeが0になるまで繰り返される。そこにはランダム性が一切存在しない。魔法の塔とかWWAとかそういう系統の戦闘方式を採用しているゲーム。 　このゲームにはAtkやDefといったWWA系では定番の値に加えて、この値だけ相手から食らうダメージを低下させることのできるShieldといった値が存在するが、最大の特徴としてSoulという値が存在する。Soulはステータスを百分比で上昇させることができ、敵を倒す、アイテムを使うなどの行為で上昇し、この値が高いほどステータスも高くなる。Soul値が上限に達すると、Soulによるステータス増加量が大幅に上昇するかわりに、敵の周囲4マスに入ると強制的に戦闘となってしまう。その状態で戦闘するとSoul値が上限の分だけ低下し、Soul値の上限が1増加する（この上限の増加にも上限が存在する）。なので、Soul値が低い時に弱い敵を倒し、Soul値が高い時に強い敵を倒していくとゲームを有利に進めることができる。 　装備の種類や組み合わせも非常に多彩で、どの装備の組み合わせで敵を倒すかということも重要になってくる。 　ボスとの戦闘も、動く敵を避けながら進む、マップに存在する敵の特性をうまく利用してボスの周囲にある障害物を退かしていく、などといったパズル要素の強い戦闘方式。 　メタ要素もこのゲームの特徴。ある謎解きの答えやヒントがゲーム本体ではなく自分のPC内に存在していることもあるし、それを理解していないと突破できない謎解きもある。また、重要な選択肢は一度選んだら基本的に変更ができない。例えば、ある選択肢で左を選んだ場合、その選択をする前のセーブデータをロードしてやり直したとしても強制的に左にされてしまう。これによって詰む事はないが、一部イベントに変化が起きたり、手に入るアイテムが変わったりする。 　ストーリーについては、ネタバレになるので詳細は控えるが、最初は異世界召喚ものかと思っていたら終盤で大どんでん返しを食らうといった感じ。最も、この手のゲームではよくある展開かもしれないが。 ・良かった点 　低難易度では初心者向けのアドバイスがあることや、回復薬の効果、敵が落とすクリスタル（ゲーム内でのお金）の量、ステータス、アイテムの補正をある程度自分で調整できるので、体力や鍵が足りなくて詰むという状況になりづらく、初心者に対する配慮がされている。 　装備の組み合わせを記憶できるショートカットキーや、余計な敵を倒す、余計な扉を開けるといったミスをしても、Backspaceキーを押せばその直前の状態まで戻せるので、マップ数300以上という大ボリュームであるにもかかわらず、サクサク進めることができるので遊びやすい。 　一般的に、WWA系では敵を倒す順番やどの扉を開けるべきか、といったことでルートが決まっていることが多いが、このゲームはそれに加えて装備の組み合わせ次第で様々なルート選択ができるという日本ではあまりない特徴があり、いろんな楽しみ方ができるのが面白い。 ・良くないと思った点 　日本語対応していない。このゲームは多くの装備やメタ要素による謎解き、敵が持つ特殊能力も非常に多様である関係上、英語あるいは中国語がある程度分かる人でないと、情報を理解することができないためかなり厳しくなる。 　ゲームバランスがいまいち。敵を倒す順番やどの扉を開けるべきかだけでなく、装備の組み合わせでもルート選択ができる関係からなのか、装備次第ではただの作業になってしまうため、緊張感のあるプレイをしたいという人には向かないかもしれない。とはいえ、低難易度でプレイした感想であるため、高難易度ではまた違ってくると思われるし、このゲームは多少バランスが悪くてもゲームとして楽しくプレイできれば良いという考えの下で作られていると感じたので、それもまた日本との違いと言っていいかもしれない。 ・総評 　総評としては、日本人にとっては言葉という壁が存在するが、WWA系が得意だったり好きだったりする人にとっては十分楽しめると思われる。このボリュームでこの値段なら安いのではないか。