Orwell's Animal Farm のレビュー

全体主義などを批評的に風刺したジョージ・オーウェルの『動物農場』をゲーム化した作品。 基本はテキストベースの選択式アドベンチャーゲームで、動物たちに仕事を割り当てたり、集会で発言させたり、食料を分配したり、プロパガンダを指示したり、犠牲になる者を選んだりを決めながら、農場の設備や守備、毎年の食料、動物主義のステータスを管理し最大7年間農場と動物の行く末を見届けるマネジメントゲーム要素が取り入れられている。 1年間を四季で区切って話は進み、全体を通じてのストーリに加えて季節ごとの定期イベントとおそらくランダム発生なイベントいくつかをこなすと次の季節へ移るという流れを繰り返して進めていく。 ストーリーは基本的には原作に忠実で、EDは8種類。4つがゲームオバーで4つが条件クリアED。エンディングを見るまでの１周でおよそ2－3時間くらい。6時間くらいプレイして3/8個のエンディングを確認できた。 言語に日本語は無いので英語でプレイ。農業や動物関連の単語でいくつか辞書を引いたくらいで全体的に易しく分かりやすい。ただ動物農場自体を読んだことがない場合は先に読んでおいたほうがおそらく楽しめる。 また、ゲーム自体にFPSの上限設定などがされていないようで、プレイヤー側でGPUの設定から垂直同期設定やFPS上限設定をしておかないと描画できる最大パフォーマンスで動き続けるためGPU使用率が常に100％になってしまったので注意。 原作自体が傑作なのでストーリは面白いし、選択分岐による原作にない部分も自分は楽しめたが、マネジメントゲーム要素部分についての説明がゲーム中にされないため、特に動物主義のステータスと各動物たちの状態の取り扱いがわかりずらいこと、ランダム発生のように思えるイベントのせいで同じ内容のイベントが続いたり目当てのイベントがなかなか発生しないこと（条件がそろっていないせいも考えられるが）などからノベルゲームとしてもマネジメントゲームとしてもどっちつかずになっているように思えたので不評とします。 [b][i]全ての動物は平等である。 ただし一部の動物はもっと平等である。[/i][/b]