Kao the Kangaroo のレビュー

N64時代を彷彿とさせる、簡単で快適なアイテム収集箱庭アクションゲーム。 Kao The Kangarooシリーズ過去作とはストーリー上の繋がりはなく、完全パラレル世界となっている。 収集アイテムはそれなりに数があり、全部集めようとするとそれなりに大変。しかしレベルデザイン自体はけっこうしっかりしており、Kao2やKao3の頃のような不快感はかなり軽減されている。根幹の殴りを主体としたアクションは同じ構成ながらも新たに登場した属性グローブシステムによってパズル要素が増えており、燃やしたり、凍らせたり、引っ張ったりといったアクションを使って道なき道を進んでいくのが楽しい。 ゲーム部分がけっこう優秀な反面、ストーリー部分はかなり平凡。おおかたプレイヤーの予想通りの展開が続き、あっと驚く展開は特にない。会話シーンもテンポがかなり遅く（しかもその多くは主人公が喋るようになったせいだ）、ムービーを見ている時の不快感はまぁまぁ強い。 キャラクターもデザインこそかわいいが掘り下げに関してはいまいちで、シークレットアイテム収集によるテキスト頼りの部分が多め。特にカオの姉貴に関しては冒頭で意味深な登場をするわりに、再会は本編のほぼ終盤な上に合流後も一切の活躍シーンがないのが惜しい。 ストーリー部分はつまらないものの、ゲームとしてはなかなかよくできた一作。なによりも『N64風箱庭アクションゲーム』という時点でSteamでは一定の需要があるので、そういったものを探しているのであればぜひとも試すべき一作だ。