Prison Forever のレビュー

[h1]あなたは牢獄にいます。それだけです。[/h1] 何をして捕まったかは自分で考えてください、お心当たりがございますね？ 窓の外には何もありませんが壁にある写真で緑を感じられます。

刑務所の独房で過ごすゲーム ゲームを始めると何の説明もなく独房からスタートする そしてそこで終わりといっていい 自分が何の罪で投獄されているのかわからない 刑務所にいるはずなのに刑務官が一人もいないので 改めてそれを説明する者もいない 登場人物が自分しかいないのだが 視点を動かすことは出来ても鏡がないので 自分の存在を確認することすらできない 年齢も性別も不明である 人間であるのかもわからないし そもそも姿かたちがわからないので 存在しているのかもわからない ただそこに“意思”があるだけなのかもしれない 動きは非常にスムーズであり操作性は悪くない それどころかスイスイ動くので非常に良い ただし4畳ほどの独房に入れられているため スムーズに動けても十分に動き回れるほどのスペースはない ベッドはあるが寝ることは出来ない 洗面台はあるが何の操作も出来ない トイレはあるが排泄することは出来ない 全てはただそこにあるだけ 鉄格子越しの窓から昼夜の変化はみられる 昼には光が差し込み夜には星がきらめく 壁には汚れや傷の他に 1枚だけ樹の写真が貼られている 何の音も曲もない 食事も睡眠も必要がないため恐らく死ぬことがなく ただただ独房で昼夜の入れ替わりを繰り返し眺めていく 刑に服したことがないのでわからないが 恐らく現実の刑務所内の方が まだ日々の変化があると思われる ある意味刑務所以下の生活を強いられることになる ゲーム内で何の罪を犯して投獄されているのか そんなことは大した問題ではなく 現実で何か罪を犯した者が自らを律するため または反省するためのゲームではないだろうか ゲームはいつでも終わらせられるが 明確な終わりは自らが決めればいい 一度ゲームをやめても反省が足りなければ再度始めればいい ゲームを起動した者が自らの罪と真摯に向き合う Prison Foreverはそのためのゲームなのかもしれません そして人類が日々の営みを続ける中 どこかで誰かが罪を犯すのは避けられず Prison Foreverに終わりはないのかもしれない