Markov Alg のレビュー

ひとまず全64ステージの最終ステージをクリアしたのでレビュー。 [h1]どんなゲーム？[/h1] ゲームタイトルからもわかるようにマルコフアルゴリズム（置換規則）を弄って遊ぶ論理パズルゲームです。マルコフアルゴリズムでゲームと言うと例えば[url=https://mao.snuke.org/]Markov Algorithm Online[/url]なんかが思い浮かびますが、あちらのようにマルコフアルゴリズムの特性をフルに生かすというよりは、あくまでも「置換のルール」として利用している印象です。倉庫番的にルールを変化させるという意味ではどちらかと言うとBABA IS YOUに近いでしょう―――ただ、それにしても相違点は数多く存在します。まずプレイヤーの自機は固定です。「YOU」の出番はありません。「X」と「P」の移動に関する規則が異なる二つの文字が自機として割り当てられています。あくまでも[b]文字列[/b]を操作するゲームですから、「YOU」だとか「PUSH」だとか「DEFEAT」だとかの[b]性質[/b]は変化させられない……という寸法です。代わりに、このゲームでは「XはYOU、MはPUSH、|はSTOP」という風に最初から文字の性質が決定されています。BABA IS YOUでいうWALLに囲まれたWALL IS STOPのように、決してプレイヤーには干渉できない不変のものとなっているのです。ですからこのゲームは、「WALL IS NOT STOP」ではなく「WALL IS EMPTY」を狙うようなレベルデザインになっています。Rogue bitっぽくもありますね。 [h1]ルールの詳細[/h1] まず、置換ルールの適用はBABA IS YOUのような[b]常時[/b]ではなく[b]任意[/b]です。先に「"○○" to "××"」のフォーマットでルールを組んだ後、任意のタイミングでEnterキーを押すことで初めて置換が行われます。「"X" to " "」みたいなルールを作っても、エンターキーを押さない限りは生存できるわけです。また置換には[b]range[/b]の概念があり、これは「[range : △（数字）]」の形で指定します。rangeを指定すると、Xの周囲△マス以外は置換されないようになります。ステージによっては「[range : 99]」みたいなのが右下の方に置いてあったりします。この場合はステージの幅を△が超えるため、置換は全域に及びます。他にもconstとか数字の結合とか置換によって文字幅が減少した場合の挙動とか色々と特殊なルールは存在しますが、割愛します。 [h1]ボリューム[/h1] 前述のように全64ステージです。最終ステージをクリアするとトップメニューに星が表示されますが、実績はありません。ステージエディタも残念ながらありません。しかし、オリジナリティの高いパズルゲームとして、300円の価値は十分にあると私は思います。