Partial Control のレビュー

まだキャンペーンの序盤ですが、日本語のレビューがないので書いておきます。 ゲームの内容はXCOMシリーズとかにちょっと似た感じの非リアルタイムの戦略ゲームです。 「Partial Control」というタイトルの意味ですが、「次のイベント」が起こるまで自キャラが自動で動く、ということを指しています。例えば、近くに銃が落ちている場合に「銃を拾え」という指示を出すと、銃を拾うところまで自動で動き、銃を拾ったら時間が止まり、また次の指令が出せるようになります。もちろんその間に敵も動いていますから、銃を拾っている最中に撃たれるとなすすべもなく死にます。指示については「単なる移動」の指示はできず、武器を拾ったり敵を攻撃したりといった、何かしらの「具体的な行動」だけを指示できます（その結果として移動が発生します）。 また「次の行動」の指示以外で自キャラができることとして、物体をサイコキネシスで動かす、武器の装填状況などを変える、敵キャラをマヒさせるなど多彩なコマンドがあり、これらは俗にいうAPを消費してその場で即座に実行可能です。 これらのコマンド・指示を駆使して、イベント単位でしか指示できないという制約の中で、室内の全敵キャラを倒して生き残るとレベルクリアとなります。アクション性はなく、RTSではなくターン制に近い（敵も味方も同時に動くのでターン制とは違いますが）戦略ゲームだと言えます。 ちょっと遊んだ印象では、ターン制戦略ゲームの入門としてとても良くできているゲームだと思います。 部屋を順番に進んでいくのですが、新しい部屋に入るたびに装備はリセットされるので資源がジリ貧になることもなく、またどの部屋も概ね数回の指示・コマンドでクリアできますから、死んでやり直しになっても徒労感はありません。「移動」という指示ができないため、とれる指示の選択の幅がいい具合に絞られており、敵にやられた際に何をどうすれば状況が変えられるかわからない、といった事態にもなりにくいと思います。敵の行動パターンは単純かつロジカルで、「次に自キャラが操作可能になるまで」の間にどのように行動するかを、かなり正確に予想できます。ゲームの手触りとしては「詰将棋」のようでもあり、ローグライクダンジョンの「モンスターハウス」が戦略ゲームになったようでもあります。 キャンペーンモードだけでも80レベル以上あってまだまだ先が長いですが、それ以外にもローグライクなランダムルームで無限に遊べたり、自分でレベルデザインできたりとエンドコンテンツもしっかり用意されており、長く楽しめそうです。 ビジュアル的にも洗練されていますし、シンプルで奥の深い戦略シミュレーションに仕上がっていると思います。