Robo Instructus のレビュー

なるほどこうガッツリプログラム書かせるゲームもありなのか、と思わせるプログラミング×パズル。 書いた命令通りに動くロボットを動かすソースコードを書いてゴールを目指すと、内容自体は単純ですが、なかなかに一筋縄ではいかないゲームになっています。 プログラマーの気分になってロボットによる問題解決を順当に目指していくも良し、人間オプティマイザを目指して最速・高効率のコードを生成するもよし、結構奥が深いゲームではあると思いますので、遊び方の幅はそこそこある印象です。 プログラミング好きならまずプレイしてみて損はないと思うので、頭を使うのが好きなコーダー諸兄にはオススメです。 coder_forward()

ロボットにプログラムを与えて、ゴールに導くゲーム。こういう系統の中では(独自言語だが)実際にコードを書くという点が意外にも珍しい。 最初は、目の前にタイルがあるか判断する、直進する、左に向きを変える、とだけのシンプルな命令のみが用意されている。当然、目の前のタイルを判断して直進か向きを変えるか選ぶだけのシンプルなプログラムができあがる。 しかしステージを進めていくと、「周囲の安全なタイルの何数を得る命令」や、関数や配列の機能がアンロックされたりと、使える機能が増えていく。当然それにあわせて、「プレイヤー視点では安全かどうかわからない不明タイル」や、「安全なタイルの位置情報を持つ情報タイル」などのギミックが増えていく。 ステージの進行にあわせて様々な要素が追加されるマップに対して、ゴールにたどり着くためのアルゴリズムを練っていくことこそ、このゲームの本質だ。 命令のリファレンスが英語のみで、実際のコーディングを求められる点敷居の高さはあるかもしれないが、そもそもこんなゲームに興味を持つのはプログラミング経験者だけだろう。逆に経験者からすると、まどろっこしい抽象化がされず、直にコーディングできるというところに魅力を感じるはずだ。 一旦その視点に立つと、このゲーム、デバッグ機能がなかなか優秀なことに気づく。変数に格納されている値の移り変わりを確認できたり、タイルIDが格納されている変数名や配列名がタイルに表示されたりするのが便利だ。 これだけ聞くと迷路を解くだけの比較的単純なプログラムで済みそうだと思うかもしれないが、このゲームはなかなかよくできている。 ステージを進めていくと、「右外壁に沿って動くだけではたどり着けないような、ループの中心にゴールがあるマップ」が出てきたり、「タイルが三角形なのに対して、隣接上下左右の四方向で安全タイルの情報を与えるタイル」が出てくるなど、一筋縄では行かないところが出てくる。それに対処するためにいちいち頭をひねることになる。 タイル判断や移動に対して思考系の命令は実行時間が短いため、最速アルゴリズムを模索する楽しみもあるが、リーダブルコードの視点に立って、高速かつ簡潔でわかりやすいプログラムを書くよい練習にもなるはずだ。 ある程度進行すると、実際に使われている探索アルゴリズムに近いものを書くことが求められることに気づくと思う。探索アルゴリズムに限った内容だが、プログラミングの楽しさはアルゴリズムを練ることにある、と思う人には間違いなくおすすめできる。 トレイラーからはその辺りが伝わりづらいというのが難点だが、(人を選ぶものの)間違いなくよい作品だ。 [quote] 同ジャンルの作品を、Steamキュレーター [url=https://store.steampowered.com/curator/37758265/]Programmin Puzzle Fan (JP)[/url] にて 紹介しています。興味がある方はぜひフォローしてみてください。 [/quote]